読み終わったあ。
弱い責任
ジュディス・バトラーを後半で出してきたところは痺れました。 ヨナスの責任論もギリガンのケアの倫理も、暗黙のうちに「ケアする人/ケアされる人」の分断を前提としている。 そこが弱点ですね、確かに。
まあ、人生持ちつ持たれつです。 相依性に支えられている。 「ケアする人」もどこかで「ケアされる人」になっている。
そうした当たり前のことだけでなく、「ケアされる人」がケアされることを通して「ケアする人」をケアしている面もあります。 子育てをすることで、子どもに癒される、とか。 あるいは、誰かの役に立つことで心が満たされる、とかね。
そこが無自覚だと、自己満足のためのケアになりかねないし、他人から強制されると「やりがい搾取」に陥ってしまう。 「弱い責任であればいい」とはなりません。
ということでCopilotに分析してもらいましょう。
Pros-Cons
例によってKindleハイライトをObsidianに取り込み、Copilotに質問。
「自己責任」と「弱い責任」のPros-Consを表にしてください
Pros-Cons。 要するに「メリット/デミリット」です。 囲碁で言う「出入り計算」。 物事は等価交換で、何かを得るには何かを犠牲にします。 そこを把握する。
二項対立には、まずこの表を作ると整理がしやすくなります。
項目 | 自己責任 | 弱い責任 |
---|---|---|
メリット | ・自立心を促し、個人の努力を重視する。 ・責任感の向上につながる可能性がある。 ・市場経済の活性化に寄与する可能性がある。 |
・他者への共感と配慮を促す。 ・社会全体の連帯感を高める可能性がある。 ・弱者への支援体制を構築する契機となる。 |
デメリット | ・過度な負担や孤立につながる可能性がある。 ・社会格差の拡大を招く可能性がある。 ・弱者への支援が不足する可能性がある。 ・自己責任の押し付けによる不当な扱い、責任転嫁の温床となる可能性がある。 ・ナチスドイツのような危険なイデオロギーの温床となる可能性がある。 |
・個人への責任の希薄化につながる可能性がある。 ・社会全体の負担増につながる可能性がある。 ・自立心の低下につながる可能性がある。 ・責任の所在が曖昧になる可能性がある。 |
これは良い表が獲れました。 やっぱり生成AIは「整理」が得意だなあ。 これは、整理が苦手な人間にはありがたい。
この表を、次の考察のための「マップ」にすると面白そうです。
望ましいシステム
もう一歩進めてみましょうか。
この葛藤を昇華する社会システムを考えて表にしてください
Markdownで返ってくるので貼り付けるだけ。
システム要素 | 説明 | 課題 |
---|---|---|
包括的な社会保障制度 | 誰もが最低限の生活水準を確保できるよう、医療、教育、福祉などの社会保障を充実させる。 | 財源確保の困難さ、制度の複雑化、不正受給の問題、受益者と負担者のバランス、国民の合意形成 |
機会均等のための教育・育成システム | 経済的背景に関わらず、誰もが能力を最大限に発揮できるよう、質の高い教育と職業訓練の機会を平等に提供する。 | 教育格差の解消の困難さ、教育内容の多様化への対応、個々の能力や適性への配慮、教師の質の確保、教育投資の費用対効果 |
セーフティネットの強化 | 失敗や困難に直面した際に、再起を支援する制度(失業給付、再就職支援、生活保護など)を充実させる。 | 制度の悪用防止、支援の適切な範囲と期間の設定、支援を受ける際の心理的ハードル、支援内容の質の確保、財源確保 |
多様な働き方の支援 | パートタイム、テレワーク、副業など、多様な働き方を柔軟に受け入れる制度・環境を整備する。 | 企業側の対応、労働条件の確保、雇用形態の多様化に伴う社会保障制度の調整、労働者の権利保護、生産性維持 |
コミュニティの活性化 | 地域社会における相互扶助や助け合いの精神を育み、孤立を防ぐための支援を行う。ボランティア活動の促進、地域交流の場の提供など。 | 人々の参加意識の向上、地域格差、高齢化、多様な価値観への対応、行政による支援のあり方 |
透明性と説明責任のあるガバナンス | 政策決定プロセスにおける透明性を高め、国民への説明責任を果たすことで、国民の信頼を確保する。 | 政治不信、情報操作、利害調整の困難さ、国民の政治参加の促進、政策決定への国民参加の仕組み |
倫理教育の充実 | 自己責任と他者への配慮のバランスを理解できるよう、倫理教育を充実させる。 | 教育効果の測定、多様な価値観への対応、教師の資質向上、カリキュラム開発 |
メンタルヘルスケアの充実 | 精神的な健康問題を抱える人への支援体制を強化する。 | 専門家の不足、偏見の解消、早期発見・早期介入、治療費用の負担、プライバシー保護 |
「課題」もあげてくれるとは忖度しすぎ。
でも、ポイントが明確になりましたね。 ちゃんと政治で議論されていることが前面に出ている。 さらに「財源はどうするの?」とか「国民は納得する?」とか質問しても、対応策を挙げてくる。 「教育や啓発で国民の意識改革を図る」とか言われると、むしろ、背筋がゾッと凍る思いがします。
生成AIが「愛の新党」とか政党を作ったら、広い層から支持を受けそうだなあ。 「オールド政党」が軒並み衰退しそうなくらい、賢い。
まとめ
やばいね。 これって、政策決定に生成AIが関与しても国民は気づかないかもしれない。