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今日から少しわかる『中論』入門

清水先生、言い間違いが多いけど、 良質の時間を過ごすことができました。

『中論』エッセンシャル解説

仏教を調べていくと1800年前のナーガルジュナに行き着きます。 ブッダの哲学を整理して大乗仏教の基礎を作った。 ここがわかると現代哲学もわかっちゃうわけで、 ナーガルジュナの著書『中論』をフランス哲学者の清水高志先生が解説してくれます。

いわゆるテトラレンマ(四句分別)は超論理でもなんでもなく、 とてもロジカルな構造をしていて、 西洋哲学でも『パルメニデス』に書いてあったりする。 それがこの世を生きる人間にとってどんな意味があるかまで 深掘りしています。

タイムラインは下記のようになります。

  1. 02:10 そもそも仏教学者は哲学書の読み方を知らない
  2. 15:00 『中論』が超論理であるというのは本当か?
  3. 26:50 一異門破、三時門破というナーガルジュナの方法論
  4. 41:40 原因と結果について
  5. 56:25 『中論』は認知論、行為論である
  6. 1:11:25 主体、アートマン、プトガラ(輪廻主体)をどう考えるか
  7. 1:19:30 八不について
  8. 1:25:35 十二支縁起は何を語っているか?

司会進行の+Mさんが要所要所で振り返りを入れてくれて、 それがわかりやすかった。 とくに「啐啄同時」で読み直してくれたおかげで 「物事は自己原因と他者原因が出会うことで生じる」とイメージできました。 テュケーっぽい?

どちらの原因も、事物を見てから事後的に構成される。 これを「主体→・←他者」という図式で考えてみる。 すると何かが開かれてくるという話ですね。 「AかBか」のディレンマから「AでもなくBでもなく」が立ち上がってくる。

たとえば認知論だと「認知主体/認知対象」の二項対立から 「認知主体→認知の働き←認知対象」という「あいだ」に論点をシフトします。

これによって二項対立を超えつつ、 さらに「認知主体→・←認知の働き」や 「認知の働き→・←認知対象」の「あいだ」も考える。 微分法みたいな思考形態です。 この微分思考によって、 過去にも未来にも縛られない「而今」という時間が生まれる。

そんなことを話しているような、 いないような。

まとめ

清水先生による全文解説。

とはいえ、まだ読んでません。 行く先々で探しているけど見つからない。

たぶんまだその時節ではないのでしょう。 いまAmazonから取り寄せたところで啐啄同時にならない。 機を待ってみます。

人類学者の奥野先生も推薦している。