Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

反応スタイル理論とアサーティブ

あれはこれか、ということで補助線を絡めてみました。

反応スタイル理論

世の中ストレスがあって当たり前。 すると、そのストレスにどう反応するかがポイントになります。 前回、感情表現・問題解決・瞑想の3種類あることを調べました。 これが「ストレスの領域」と関係あるのじゃないだろうか、と。

今回は、以前から考えている「アサーティブ・ライティング」ですね。 客観的事実→主観的感想→具体的提案→行動選択の順に状況整理する方法です。 DESCと呼んできました。 これも反応スタイルじゃないかと思ったので、マトリクスに組み込みます。

スタイル・マトリクス

アサーティブ 反応スタイル ストレス領域 五蘊
D:客観的事実 瞑想 役割期待
E:主観的感想 感情表現 対象喪失
S:具体的提案 関係欠如?
C:行動選択 問題解決 自己役割

具体的提案に対応する反応スタイルが「?」になる。 「こうなるといいなあ」という将来像をイメージする部分です。 反応スタイルに該当するものがありません。 ここは何が当たるのだろう?

哲学の分野だと「欲望形成支援」になるかな。 「目標」よりは具体的で、考えるだけで意欲の湧いてくるやつ。 自分の身体に根ざしていて揺るがない。 そうした「欲望」を形作ることが自由意志の前提になります。

行動というのは、状況に応じて臨機応変に出てくるものです。 あらかじめ決めておくことはできません。 そこを固定すると行き詰まる。

欲望は、それに対し、「もしそうなったらいいなあ」と体感の先取りをしている。 気持ちいいなあ、楽だなあ、と思えれば「欲望」です。 身体が指標になっている。

行動がタスクで、欲望はプロジェクトですね。 「戦術と戦略」に言い換えてもいい。 タスクをこなしても、望ましい未来が見えていないと、達成感がありません。 先に未来のイメージを明らかにする。 そこに近づきつつあれば、かならず手応えを感じます。

この「欲望形成」が、アリストテレスの「目的因」に当たります。

動機づけ面接

この「欲望形成」を心理学用語で語るとどうなるだろう?

これは「動機づけ」の分野だろうか。 アドラーだと「勇気づけ」かな。 エンカレッジやエンパワーメントとか呼ばれるところ。

もちろん、「動機づけ」は反応スタイルではありません。 本人がすることではなく、面接者の行うことだからです。

ここに「他者」が介在している。 一人で考え込んでいても埒が開かないとき、誰かに相談する。 その意味は思考に「他者」を取り込むことにあります。 対話する。 その対話が内在化することで思考に厚みが増して楽しくなる。 ストレス自体を楽しむ。

これも「補助線を二つ引く」だと思います。 アサーティブだと、その前に「自分の気持ち」について話しているので、その後の「提案」が自分の身体に接地している。 これが一本めの補助線ですね。

もう一本は「自分の話はどう聞かれているだろう?」という補助線です。 聞き手に視点を移し、自分の話を振り返る。 これが対話状況で起こる。

聞き手があなたの「夢」に関心を向けてくれる。 すると「夢」がさらに広がっていく。 そんな添え木を添えるようなプロセス。

まとめ

同じことは「書くとき」にも起こります。 まず、自分の体感に合わせて言葉を捉えていく。 それから「読者目線」に立って、その文章を読み直す。

そのとき「自分の体感」と「読者目線」の交点に「欲望」が立ち上がる。 「書く」とはそんな構造なんじゃないかな。