Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

ライフログは体験の記述である

ライフログは体験の記述である。

これ、どういうことでしょうね。 どうも「体験」という言葉が広すぎて、何を指しているかわかりにくい。 もう少し丁寧に考えてみようと思います。

体験分析

「体験」の内実を考えてみましょう。 どういう事柄を「体験」と呼んでいるのか。

そうしたとき、DESCが補助線に使えることに気づきました。 アサーティブ・ライティングのDESCです。 「客観的事実→主観的感想→具体的提案→読者への問いかけ」の順に文章を組み立てる方法。 これを「体験」の記述に使ってみます。

DESCを大まかに分類すると下記の図になります。

軸は二つ。 「過去←→未来」と「外界←→内界」を直交させます。 これで四つの領域を作る。 DESCはそれぞれの象限に割り当てることができます。

  • D…事実。実際に何が起こったか。
  • E…感想。それに対し何を感じたか。
  • S…目標。どうなるといいか。
  • C…行動。これから何をするか。

ちょっと言い換えてあります。

Cはもともと「相手に選択してもらうこと choice」ですが、拡大解釈して「行動」としました。 「関与 commit」や「行為 conduct」のニュアンスです。 外界に働きかけることを指します。 他者の協力が必要な場合もあり、それがアサーティブネス=自己主張の要点なので「選択」でしょう。 今回は一人で行う場合もあるので「行動」としました。

また「提案 suggest」も同じ理由で「目標」と読み替えています。 s始まりのいい英単語がなかったけど、seekingで行こうかな。 「未来に向かって探し求めること」という感じで「ゴール」とはちょっと違う。 「ゴール」は到達すれば終わりだけど、seekingは「求め続ける欲求」のことです。 どこまでいっても道の途中。

循環型

「体験」は循環しています。 行動したことは次の瞬間「事実」に変わる。

面白いですね。 「行動」は状況を変えてしまいます。 それが次の「体験」の始まりになる。 「行動」の結果である「事実」が、内的に解釈され「感想」に変わり、それが新しい「目標」を生み出す。 ぐるぐる回るわけです。

問題解決もまたこのプロセスを辿ります。 「目標」がプロジェクトに当たり、「行動」がタスク。 ToDoリストを作るとしたら、まず「目標」を書いて、それから具体的な「行動」に落とす。 「行動」を実行に移すと、タスクにチェックマークがつき「事実」となります。 「目標→行動→事実」がタスクリストで表現されている。

どうも従来のタスクリストだと「感想」がカバーできていません。 そもそも「問題」とは「これは問題だ」と感じることです。 外界にあるわけではない。 「感想」の領域。 内的な解釈が介在することで「問題」が成立する。 なのでチェックをつけたあとも、本当なら考察が必要です。 「この行動の結果をどう感じるか」と。

doneしたタスクに「感想」をつけるといいかな。 自分でコントロールできるのは自分だけですから、解決の介入は「感想」か「目標」がポイントになります。 「事実」をどう受け取っているか。 「事実」がどう変わるのを望んでいるか。 この二点を分析することが解決の糸口になる。 そこを抜かすと解決のループが消化不良を起こします。

まとめ

ということで「タスクリスト+感想」でライフログの最小単位。

追記

「仮想のパートナー」のアイデアがいいですね。 その相手に向かって話しかけるようにログを取る。 「相談」の要素を取り込むことで仕事が変容します。

一人で抱え込んでしまうのが仕事の難点。 そこを躱す工夫になっている。