Jazzと読書の日々

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アサーティブをDESC記法と名付けてみた

black and white electric guitar|600 Backlink | Photo by Mike Castro Demaria on Unsplash

アサーティブ・ライティングは箇条書き記法と相性がいい。 というか、この方法を使うと、漠然としがちだった箇条書きに「アサーティブ」という筋が通る。 軟体動物から脊椎動物に進化したように次元が上がる。 これに名前をつけておこう。

アサーティブ・ライティング

なかなかいい方法を見つけました。 アサーティブはコミュニケーション・スキルとして難しいと思う。 「まず客観的事実から話さなきゃ」と考えただけでパニックになります。 思い浮かぶまで苦悩する。 でも「書くこと」であれば、わかるところから埋めていけばいい。 時間にせっつかれることもありません。 のんびりひとりセラピー。

それに「自己主張」が目的ではありません。 「書くことが楽しくなること」を考えています。 「楽しくなる」とは「もやもや」が整理されることです。

書く前は何かがもやもやしている。 書くことでそのもやもやの正体が明らかになる。 そうした整理法は今までの構造化ライティングにはありませんでした。 「伝えたいことを最初に書こう」みたいな方法は「伝えたいこと」が見えていないとできません。 アサーティブはその「伝えたいこと」を捉えるのに向いていると思います。

DESC

ただ「アサーティブ・ライティング」って名前、長いですよね。 「AW」と略すと、今度は何かわかりにくいし。 そもそも「自己主張」に主眼があるわけじゃない。

アサーティブの「客主提選」は英語だと「DESC」になります。 Description(事実の記述)→Expression(自己表現)→Suggestion(提案)→Choice(選択)の頭文字を並べたもの。 Descriptionの初めが「Desc」なのがポイントでしょう。 「客観」と言われるより、こちらのほうが適切かもしれない。 「スクリプトにすること」ですよね。 言葉にして並べること。 箇条書きを意味しているような、いい表現です。

なので、アサーティブ・ライティングと箇条書き記法の合体技を「DESC記法」と名付けることにしました。

ゼロの発見

箇条書きを採用するのはMarkdownの本質だからです。 Markdownは箇条書きをプレビューするとき、それを連結して「パラグラフ」にします。 バラバラがパラグラフになる。 最初は慣れなかったのですが、段々この思想に染まってきました。

Markdownのポイントは「空行」です。 「#」とか以前に「空行」が鍵になっている。 つまり文章術に「ゼロ」を導入しているのです。 空行に挟まれることで「文」が「段落」に変容する。 この「段落」が文章を構成する重要な「単位」である。 ゼロは何もないけれど、何もないこととは異なる。 そういう思想が隠れています。

「文」だけでは思想になりません。 "いや、そんなことはないだろう。 「地球は丸い」という文は「地球は丸い」という意味だろう。" ええ、そうです。 そして「地球は丸い。本当にそうだろうか」と書けば別の意味水準が導入されます。 それが「思想」です。 「文」だけの意味と、「文」が繋がることで生まれる意味の、二つの水準がある。 後者を「思想」と呼び分けてみます。 「段落」はこの「思想」を扱う単位であり、Markdownはそれを意識している。

そう気づいたら、Markdownの魅力にハマってしまいました。

コード進行

文章を構成することは作曲で小節に音符を埋めるようのものです。 小節自体が「文」に当たります。 四小節で休止符が来て一つのユニットになる。 これが「段落」です。 ユニットを組み合わせて楽曲が出来上がる。

ユニットの中にはコード進行があります。 トニック→サブドミナントドミナント→トニック。 四音上げたり、二音下げたりして、綱渡りをする。 このコード進行にDESCを適用すると書き進めやすい。

つまり、段落にDESC構造をもたせる感じ。 事実の記述から入り、感想を述べ、夢を語り、読者に問いかける。 サビに入るまでは「トニック→サブドミナント」の繰り返しでいい。 テンションを入れて不安感を高めてもいい。 でも、段落ごとに「一つの思想」を意識して書く。 「思想」がアサーティブになるように書く感じかな。

「意識して書く」としたけど、普通に書くとこうなりますね。 何か伝え終わった感じがすると空行を入れる。 そのリズムになるから「段落」には「思想」がインストールされます。 Markdownはそれが起こりやすい記法になっている。

まとめ

ということで、今後「DESC」と言えばこの記法のことで。