Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

ラザロは三回繰り返して観る

この中に犯人がいる(一番上があやしい。一番上だから)。

ラザロ

カウボーイビバップ』の渡辺監督の新作。

オシャレなジャズの劇伴にクールなアクション。 やっぱりひと味もふた味も違う。 アニメーションの見せ方で魅了するサスペンスになっています。

ストーリーとしては、あれかなあ、終末系。 スキナー博士が開発した「ハプナ」という精神安定剤が、安価で手に入ることもあり世界中に普及。 誰もが心の平穏を保てるようになった2052年。 でも「実はこの薬は服用後3年で人を死に至らしめます」と急に博士が言い出して、しかも「わざとです」というオチもついて世界中が大混乱。

こうなると『ギャグマンガ日和』を思い出してしまうので、つい笑ってしまいますね。 「大林さんが良くないハッスルを始めました」と幻聴が聞こえます。

それはおいといて。

それで秘密組織「ラザロ」が結成されて、そのスキナー博士を見つけ出そうとするのだけど、その時点でアウトです。 どの時点というか、スキナー博士がカミングアウトする前にすでにメンバーが集まっていて、しかも捜索用の設備が揃っていることです。

ラザロのメンバーは犯罪者の集まりで、それぞれ特殊な才能を持っています。 凄腕ハッカーだったりドローンの操縦だったり。 しかも日頃から通常業務で秘密結社っぽいことをしているわけではない。 このスキナー博士捜索のためにスカウトされています。

この辻褄合わない設定は「ラザロの中にスキナー博士がいる」なんだよなあ。

でも違うかも

「ラザロ」と言いながら英語表記は「Lazarus」なので、元ネタは新約聖書ですね。 イエスが友人のラザロを訪問したらすでに死んでいた。 家族がそう言って泣いていると、イエスは死体に近づき「何死んでんねん」とツッコミを入れ、ラザロが「はいはい」と復活するエピソードです。

そんなショートコントをするから「イエス様は死者を蘇らせてくれる」と民衆が思うじゃないですか。 このラザロの名前を組織名にしている時点で、この組織は「これから何が起こるか」を知っていたわけですよ。 死者の復活。 そんな事件が起こりますよ。

ということは、ラザロの誰かはハプナで死んだと見せかけて、11話目で「実は生きてました。私がスキナーでした」となるのだろう、と。 そこまで読める。

エンディングで最後にアクセルが立ち上がりますが、彼が復活するのは「だってハプナなんか飲まなくても脱獄を繰り返してたら楽しいじゃん」だろうから、彼はスキナーではない。 すると立ち上がって向き合った先にスキナー博士がいる。

倒れていた仲間の誰かが立ち上がって対峙している。 そういうカットが最終回間近で追加されるんじゃないだろうか。

と、そう推理してみたのですが、監督のインタビューを見ると違いますね。

原案には「序盤で死んだ誰かが犯人だった」もあったみたいですが、その案はボツになったようです。 「主人公だと思われる人物が途中で死んで、別の人物が次の主人公になる」も却下。 そうか、練り上げていく中で、もっと面白いストーリーが浮かんで、そちらが採用されてそうだな。

まとめ

まだ2話目。 登場人物の紹介が続いていて、そこに伏線が仕込まれてそう。 『ビバップ』よりは『バッカーノ』の雰囲気だなあ。 誰がレイルトレーサーなのか。