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今期のアニメは『薬屋のひとりごと』だろうか

薬屋のひとりごと

ニコニコ動画に一気に3話まで登場したアニメ。 どうもテレビでも一挙放送だったらしい。 これで持っていかれた。

内容的には古い中国での後宮物語である。 主人公は人買いにさらわれ後宮の下働きとして売られた少女。

別に皇帝に見初められ寵愛を受けるという話ではない。 基本下働きである。 年季が上がるまで目立たず炊事洗濯水汲みに明け暮れる。 売り飛ばされた境遇ではあるものの、その現状を嘆いてもいない。 人生そんなものかと受け入れている。

ただもともと薬屋で働いていた身分なので医学に造詣が深い。 その知識を元に後宮で起こる怪事件を解決していく。 そう、これは推理小説なのだ。


3話まで見た感想はそんな感じだった。 そしてたぶん間違えている。

というのも、推理モノの事件にしてはインパクトが薄い。 2話目の惚れ薬を作る話は推理でもなんでもない。 料理番組である。

4話目も、いろいろ苦難はあったけれど、事件が起こったわけではない。 病身の王妃のためにお粥を作りサウナを完成したという話だ。 薬屋の仕事をしている。

3話まで一挙放送したのは、この作品のジャンルが不明瞭だからだろう。 一話ずつ放送していたら、視聴者が興味を持ち続けるのは難しかったかもしれない。 まとめてみると、独特の味わいがあってハマってしまう。 そうした性格を帯びているのだろう。

そしてハマってしまった。 でも、どこに魅力があるか説明できないのである。

プロット分析

推理モノとしてみた場合、プロットは上の図のようになる。

事件パートがあり、それがマオマオ(猫猫)に伝わり推理パートに入る。 推理だけでは確証がないので検証パートに移り、証拠が集められる。 そして事件の背景が明らかになることでストーリーに結末が来る。

そうした一話完結方式である。 いやあ、このキャンバスは汎用性が高い。

そもそも後宮という設定はクローズド・サークルにするためである。 人の出入りが限られているので外部のノイズが入らない。

主人公が下女なのはアームチェア・ディテクティブである。 自由に行動できない立場なので、聞き取った情報だけ頼りに推理する。 シャーロック・ホームズの伝統に沿った推理モノの結構をしている。

この結構で一話完結のミニストーリーを進める。 名探偵コナンでお馴染みだ。

でも主人公に目的がないのである。 敵の組織もない。 ミニストーリーを束ねるメインストーリーが見当たらない。 そこが隠されているらしい。

さらに背景

長沼監督があまりに自信満々なのが気にかかる。

たぶん伏線はすでに張られている。 あとから見返せば「なるほど」と思うようなエピソードが組み立てられているのだろう。

なぜ赤ん坊が次々死んでしまう怪現象に対しマオマオは黙っていることができなかったのか。 それは彼女自身の生い立ちに絡む何かを刺激したからだ。

そもそも生まれ故郷から誘拐されたにしてはサバサバしている。 こういうことはよくあることだと思うのは、彼女にとって2回目の誘拐だからではないだろうか。

するとストーリーの展開とともに、自分の出自と向き合うことになるのかもしれない。

まあ、高貴な身分の落とし子だったというオチはつまらないから、もうひと捻りありそうだ。 まだパーツは集まっていない。 これからの事件を通して小出しされてくるだろう。 これは勝手な妄想だが、その予感が興味を掻き立てるのかもしれない。

まとめ

どうもオープニングが本編と違いすぎるのも気にかかる。 この美少女、誰?