思考とは疑問と出会うことである。その出口は「疑問を明確にすること」であり「結論を出すこと」ではないのだろう。たぶん。
フローチャート記号
フローチャートについて調べるとMermaidで使われる記号の意味も見えてきます。簡単に整理してみましょう。
処理
graph a[考察]
「何をするか」を表すもの。Mermaidでは[text]
と書きます。基本的にフローチャートはこの「処理」を並べて描かれます。
Mermaidではidが必要となります。たとえばa[text]
と書いた場合、a
がidになります。a --> b
のように、idを矢印で繋ぐことでフローチャートを描きます。
text
に句読点は使えません。その場合は["text"]
と引用符を付けてください。
端子
graph a([初めに])
スタートやゴールを示したいとき([text])
と書きます。
文章の場合は「問題意識」から始めて「結論」で終わる。その両端を明示する目的で使うといいかもしれません。
初期化
graph a{{背景}}
新しいことを始める前の準備。{{text}}
と書く。問題意識の「背景」にあたる部分でしょうか。「どうしてそれを問題と感じたか」を説明するところ。
判断
graph a{もしも}
分岐点を表します。{text}
と書きます。場合わけするとき使います。
出力
graph a[/要点/]
外部データヘの出力を表します。[/text/]
と書く。たぶん、この形は紙テープだと思う。昔の特撮ものでコンピュータが演算結果を紙テープで出力しているから、あれだろうなあ。
文章の場合は「ここまでの振り返り」として要点を整理する感じ。
手動操作
graph a[\例題/]
ユーザの手を借りるところ。[\text/]
で表します。文章だと「ここで問題です」と設問を入れて、読者に参加してもらう感じかな。
サブルーチン
graph a[[参照]]
定義済みの手続きを表します。[[text]]
と書く。「プランBを行う」といった感じで、他のフローチャートを参照するのに用います。文章の場合は「第1章で考察したように」のニュアンス。
代替処理
graph a(あるいは)
メインの処理がうまくいかないときの代替案。(text)
と書いて、そこに繋ぐ矢印も点線(-.->
)を使います。文章の場合も「もしそれでうまくいかなければ」と二の矢を繰り出す感じでしょうか。
格納データ
graph a[(根拠)]
データベースに保管したり参照したりする。[(text)]
で表します。文献からの引用とか実験データとか、考察の根拠を明示するところ。
結合
graph a((続き))
長いフローチャートを途中で区切るときに使います。((A))
と書いて、別のところに((A))
から始まるフローチャートを描く。混みいってきたとき、流れを見やすくするために使います。
まとめ
初めに違和感がある。違和感が思考を呼び起こす。違和感を撫でたり叩いたりしながら、その感触を掴んでいくプロセスが思考なのではないでしょうか。違和感が手に馴染んでくると「慣れ」が起きる。「慣れ」は「習う」であり「熟れ」であり、そのときには「結論」などどうでも良くなる。違和感はどこかに消えている。
文章はその「慣れ」を追体験してもらうことだと思う。楽しかったから。結果として「結論」が出ることもあれば、出ないこともある。でもいいんです。
今回Mermaidを調べて「ほぉ〜」となったので、その「ほぉ〜」を追体験してもらえたら、と思いました。「書く」とはそういうことじゃないでしょうか。