カレンダーはモードレスだろうか。
アドベント・カレンダー 2025
Textwellの上野さんから12月のプレゼント。 毎日『モードレスデザイン』からの抜粋が届きます。
「モードレス」って何か、よくわからないわけです。 個人的には「直感的に使える」かなと考えてますが 「どうすれば直感的に使えるデザインになるか」と問い直すと、 これが難しいじゃないですか。 そいつはどういうデザインか、と。
そこを丁寧におさらいしたのが「モードレス・デザイン」じゃないかな。
第1日目
1日目はAppleのGUIデザインについてです。 WYSIWYGのインターフェースについてガイドラインがある。 そこに「モードレス」という言葉が現れます。
モードレスは「モーダル」と対になっている。 モードのあるなし。 この「モード」がわかりにくいのは、 それが「コンピュータ」とともに出てきた所作だからです。 それまでの人間に馴染みがない。 解説書を読まないと習得できない。
パーソナル・コンピュータが「パーソナル」、 本当の意味での「個人のもの」となるには 「マニュアルなしでも使える」を目指さねばなりません。 インターフェースのデザインはそのためにある。
挙がっているポイントは:
- メタファー:既に知っているものに見立てる。
- 直接操作:身体的動作でオブジェクトを操作する。
- 見て指す:「Object→Verb」のシンタックスを使う。
- 一貫性:あるアプリで習得した知識が他のアプリにも応用できる。
あたりかな。 他にも並んでいるけど。 それぞれには「コンピュータというモードをなくす」 「ソフトウェアというモードをなくす」といった目標がついてます。 「コンピュータ」とか「ソフトウェア」とか、 そうしたものが「モーダル」に当たるわけです。
もちろん「モーダル」が否定されるわけではありません。 コンピュータがコンピュータらしく振る舞うときもある。 それはどんなときかも、 Appleのデザインでは一貫性を保つように考えられている。
ただ、これだと「決定版」はないですね。 時代を経ると共に「直感的にわかる」は変化します。 フロッピーのデザインが「保存」を意味するとはもう言えない。 考えてみると 「保存を意識させないデザイン」に変わってきてるかな。
まとめ
なので「モードレス」とは特殊な状態ではなく、 むしろ日常生活で慣れ親しんだ「作法」のこと。 あらためて気づきましたけど。 モードレスは身体に根ざしている。
これを「まだ馴染みのないコンピュータ」にデザインするには どうすればいいか。 パッと見てパッとわかる。 それが「モードレス・デザイン」ということです。