Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

星に願いをスターゲイザー

この間 That reminds me の話を書いたら、 まったく That reminds me で進む対談を読んでしまった。 いやはや、まったく。 これも星の巡りか。

昼間のスターゲイザー

占いと心理療法。 基本テーマはこの二項対立かな。 鏡先生と東畑先生が4回対談していて、 起源・技術・象徴・評価を押さえながら 「占いとは何か」を考えていく構成になっています。

それぞれのテーマにも二項対立がある。 起源だったら「自然的占い:人工的占い」というペアがあるし、 評価だったら「良い占い:悪い占い」が組み合わさっている。 その二項対立を整理していると、 どちらかの先生が「そう言えば」と関係ない話を始めるんですよね。 対話の中で。

この想起が一通り盛り上がって、 また元の二項対立に戻ってくる。 すると、その二項対立が初めの定義と違ったものに見えてくるんです。 回り道したことでパースペクティブが変わっている。 この往還効果が面白かったなあ。 ジャズです。

初めにバンドでテーマを奏でる。 今回はこのメロディで行きますよ、と明示します。 それから、それぞれのソロパートに入り、 インプロビゼージョンで演奏する。 そして最後にまたみんなでテーマを合わせるんだけど、 そのときにはグルーヴが利いてるわけです。 最初の演奏とは別物になっている。

対談もそんな感じで進行する。 すると二人が幸せそうなんです。 読んでいるこちらも、その幸せな気分をもらってほっこりします。 「役立つ情報」があるわけじゃないけど、 そうそう、こういうのを読みたいなあ。

星から来るもの

欲望(desire)の語源が「星から来るもの」というのが面白かった。 熟慮(consideration)が「星と共にあること」なのも面白かった(諸説あります)。

ラカンの「欲望」はフロイトの「願望充足」の「願望」のことですが、 夢は願望充足のはずなのに人は悪夢に悩まされる。 悪夢のどこに「願望充足」があるんだ?ってことになりますが、 でもこの「願望」は「星」から来ていると思えば、なるほどなあ。 そりゃあ「欲望は他者の欲望」と言うわ。 お星様の欲望なんだ。

欲望は自分ではどうしようもない、 どこからか湧いてきて自分を突き動かす。 ミッションみたいなもの。 そのミッションに振り回されるのでなく、 かといって拒絶するのでもなく、 自分のものとして受け止め共にあろうとすること。 それが「熟慮」というわけか。

対談の後半に出てくる「偶然」も「星の巡り」ですよね。 偶然に対して閉じていたら何も変わりはしない。 「自分」という殻から出ることはできません。 偶然に開かれたとき「他者との巡り会い」がある。 巡り会いが「自分」を変えていきます。

偶然を受け止めることで自らの宿命とする。 たぶんそれが That reminds me なんだ。 That がお星様。 星が「私」に想起させる。 どうもそれが「占い」の機能のようです。

まとめ

途中で心理学者の東畑先生がマジカルなことを言い出したり、 占い師の鏡先生の方が恋愛心理の機微に詳しかったりで、 役割が反転しているところも面白かった。

良い対話の条件ですね。 どちらがどちらの言葉かわからなくなる現象。 星が響きあっている。