Jazzと読書の日々

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マーメイド分析で思考地図を考えてみた

Tree in backlight|600 Backlink | Photo by Jan Huber on Unsplash

mermaidというグラフを作るコマンドがあります。 Obsidianでも使える。 フローチャートを描くことができます。

mermaid

前々からこれを発想法に利用できないかと考えています。 気になるキーワードを並べ、どういう関係にあるかを図式化する。

手作業よりも機械的で、見落としに気づきやすいかもしれない。 隠れた構造が浮き彫りになるかもしれない。

書くこと

試しに何か図式化してみましょう。 たとえば「書くこと」をテーマにしてみます。 すると次のようになります。

graph
書くこと --- 考える
考える --- こころ
こころ --- 自分
こころ --- 意識
書くこと --- ことば --- 自分
自分 --- からだ
自分 === 読者
こころ --- ことば
意識 <--> からだ
書くこと --- 時間
時間 --変化--> 自分

subgraph クラスタ
こころ
ことば
自分
end

まるでポエムです。 これをmermaidで表示してみます。

graph
書くこと --- 考える
考える --- こころ
こころ --- 自分
こころ --- 意識
書くこと --- ことば --- 自分
自分 --- からだ
自分 === 読者
こころ --- ことば
意識 <--> からだ
書くこと --- 時間
時間 --変化--> 自分

subgraph クラスタ
こころ
ことば
自分
end

これを「思考地図」と呼んでみます。

まだキーワードは少ないので単純な図ですが、これでもすでに「物語」が見えてきます。 「こころーことばー自分」の三角形が形成されている。 その三項関係がエンジンとして動いていて「書くこと」が発生している。 「書くこと」は思考論であり言語論であり時間論である。 さまざまな哲学につながる触手が伸びています。

この図式は普遍的なものではありません。 その連想を並べた人が持つ思考の構造です。 人によって異なるでしょう。 キーワードを増やせば、もっと複雑怪奇になりそうです。 一言でまとめるのも難しい。 そうした思考を捉えるツールに育ちそうかな。

思考地図

試した感じでは、ハブになるキーワードは限られるようです。 触手の多いキーワードが5個くらいになり、それが互いに結びついてループを作っている。 三つで三角形を描くとか、そんな感じのグループが見つかります。 これを「クラスタ」と呼んでみます。

今回「書くこと」のクラスタとして「こころーことばー自分」が見つかりました。 それが「書くこと」の核であるらしい(と自分は感じている)。 つまり「書くこと」を「こころが対話することで自分を形成する行為」と捉えているようですね。

言語的意識と身体的体験との間に起こる対話。 それを「自分」が聞き手となって書き留める。 そうしたモデルを作ると、この図式の意味が浮かび上がります。

あとはこれを文章に落としてみる。

マーメイド分析

```mermaidで書き始めればmermaidになります。

1行目はgraphにしましょう。 上から下にフローチャートが描かれます。 上位構造と下位構造に分かれて表示される感じ。 なんとなく「深める」に見えるのも悪くない。

graph LRにすると、Obsidianの表示幅からはみ出ます。 キーワードが多くなると読み取りにくい。 面白いのは、あとになって出てきたキーワードに他との関連性が見つかったときです。 なので、そこが見やすくなるには上から下への流れ図がいい。

キーワードは思いついた順に---で繋ぎます。 二項目繋ぐのでもいいし、三項目結んでもいい。 対立する項目は<-->で繋ぎます。 言い換えとか強い繋がりを感じたら === を使っていいかもしれません。 連想ゲームの要領で楽しんでください。

クラスタを見つけたらsubgraph 〜 endでグループ化します。 このクラスタもいくつか設定していくと構造が整理されます。 重なり合ったりする。

mermaidを眺めると、新しいキーワードを思いつくことがあります。 追加しましょう。 「考えることは時間の導入ではないか」と思えば「考えること --- 時間」と加える。 「時間とは生成流転だよなあ」と思えば「時間 === 生成流転」と増やす。

そんなふうにmermaidの推敲をしましょう。 また形が変わると思いますよ。

まとめ

マインドマップには意識的な操作が介在しやすい。 マーメイドはそこあたり、無意識的なものを無意識に扱う印象がします。 ただ、実用的かどうかはしばらく運用してから。