OSではないけど、雰囲気が似ている。
BTRON
1Bという名前のとき体験版が配られていて、それを触ったことがあります。
まず、当時のパソコンは画面が狭くて、まだまだマルチウィンドウなシステムには不向きだった。 窓を開くと使いにくいし、ドラッグ&ドロップの操作も煩雑だった。 それと文字装飾に手をかけすぎて「変なワープロ」の印象でした。
BTRON的な何か
たしかに実身と化身のシステムはハイパーテキストを目指していたのだろうと思う。 でもそれは「リンク」ではなく「埋め込み」じゃないだろうか。
Obsidianが他のマークダウン・エディタと大きく異なるのは「埋め込み」にあります。 ノートの中で、他のノートの中身が表示される。 クリックしてから開くんじゃなくて、初めから「見えて」いる。
テキストが見えていて、それをクリックすると本体のファイルが開く。 このシステムが「実身/化身」だと思う。
画像の方がわかりやすいかな。 ノートに画像をドロップすると、そこに画像が埋め込まれる。 でも、画像のデータ自体はノートにはなくて、本体の画像を加工すると、ノート内の画像も追随して加工後のものに変わる。
HTMLでもそうなってはいるけど、これを音声やテキストでも同じようにしよう。 そうすると、データを書き換えれば、そのデータを利用してる他のノートも同時に訂正される。 それがOSレベルでサポートされているのがBTRONでした。
ノートコンポーザー
Obsidianで真似しようと思えば、ノートコンポーザーかな。
テキストを書いていく。
その中で、まとまった段落ができたら見出しをつけ「見出しで抽出」でファイルに書き出す。
そのままだと内部リンクになるので!
をつけて「埋め込み」に変える。
さらに###
と並べて、埋め込みに見出し記法をつける。
こうすると、リンク先の中身が表示されているのに、右サイドパネルの「アウトライン」にはファイル名が並びます。 長押しで並び順も変更できる。
表示しているテキストをタップすると、元となるファイルを開きます。 編集はそちらでする。 ファイル名の変更も更新されるので、埋め込みが崩れることはない。
まとめ
「埋め込み」の弱点はObsidian上でしか意味がないこと。
他のエディタで開いても同じ表示にならない。 別々のファイルの集まりだから、そのまま印刷する方法がない。 紙に印刷しないにしても、ブログに公開したりできない。
せっかく汎用性のあるマークダウンを採用しながら、汎用性のない拡張をしている。 Obsidianの「提案」だと思うけど現状では使いにくい。 でも、この「埋め込み」を他のアプリも標準装備したとき、OSに匹敵する「変革」が起きるんじゃないだろうか。