Jazzと読書の日々

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ライフスタディがライフハックの基盤である

ライフハックを考えると前段階としてライフスタディがある。 生活を研究すること。 ライフログはそこに繋がってこそ生きてくる。

むき出しの脳髄

Wikipediaで「ライフハック」は下記のように定義されています。

Lifehackライフハック)は、情報処理業界を中心とした「仕事術」のことで、いかに作業を簡便かつ効率良く行うかを主眼としたテクニック群である。

「情報処理」が主眼にあります。 2004年に提唱された考え方ですね。 インターネットの普及に伴って「情報」が仕事の対象となってきた。 生活に「情報」が入り込んできて、それとの付き合い方を見直す必要が生まれた。 人類にとって新しい体験なわけです。

それ以前にも「情報」はあったでしょう。 テレビやラジオから「情報」は流れていたし、手紙を書いて「情報」のやりとりもしていた。 その「情報」と現代の「情報」とは何か違いがあるのでしょうか。

本質は変わらないでしょう。 でも量が格段に増えた。 それと即時的になった。 新聞だと、どんな新しいことでも翌日にならないとわかりません。 それがインターネットだと瞬時に画像付きで世界を駆け巡る。 手紙も同じで、こちらから質問を書いて返事が届くのは2週間後。 それが今だとLINEですぐに決着する。 言質も取られてしまいます。

マクルーハンは半世紀以上前に、テレビと電話の普及した時代、この情報の変化を「頭蓋骨がひっくり返って脳髄がむき出しになった」と表現しました。

外界と自分との間に「境界」がない。 世界の出来事がダイレクトに脳に届く。 入力過剰で、処理が終わる前に次が割り込む。 人類史においてこんな異常は今までなかった。

ライフハック

そのマクルーハンの指摘より、さらに加速したのが現代です。

ライフハックは新しい生活世界に人間が適応するための「もがき」です。 この適応でいいかどうかは後になってみないと判定できません。 今はもがくしかない。 「簡便に」と「効率良く」がそれを物語っています。 「シンプル」と「コスパ」。 それは「情報」に圧倒され、付いていけない苦悩を反映している。

シンプルでコスパが高いということは「浅く速く」ということです。 一つの「情報」に手間取れば、処理すべき「情報」が停滞して破綻してしまう。 ベルトコンベアーの流れ作業で製品の検品をしているイメージですね。 「どこかおかしい」と違和感が湧いても、検証する時間がない。 検証できないから「怪しいものは切り捨て」か「見て見ぬふり」のどちらかになる。

排除か否認か。 どちらも後に取り返しのつかないトラブルを起こします。 というか、そういう事件が世の中に蔓延しています。 不備があっても否認して商品を市場に出す。 まだ「情報」との付き合い方が確立していないからでしょう。

そこをどうするか。

ライフハックは「情報」との付き合いを整理する技術です。 でも、ライフハック自体の「情報」が錯綜している。 いろいろ提案されていて、どれを採用すればいいかわからない。 食い合わせもあるでしょう。 うなぎに梅干しは合いません。 全体像としてどんなシステムを成しているか見えない。 それも欠点です。

システムを作ること。 それはまず、自分が何に困っているか見極めることです。

ライフハックを行う前に、そのライフ(生活)がどうなっているか研究する。 ライフスタディが必要になる。 そこを飛ばしてハックに飛びついても、そのハックが必要とは限りません。 「自分の生活」に寄与しなければ無用。 「生活」との相関関数として効果が生じるものです。

ライフスタディ

では、どうライフスタディを行うか。 とりあえず「生活」を対象にログを取る。 ここは間違えがない。 記録することで「生活」を「情報」として扱えるようにする。

おすすめはObsidianにThinoを入れることです。 今まで日記アプリでログを取ろうとしていたけど、それは三日坊主で終わりました。 でもThinoはなぜか続いています。 いつ何をしていたかの「情報」がデイリーノートとして残る。 ここまではいい。

次はそれを振り返って「生活のパターン」を取り出すことですね。 「何に困っているか」と。 困っていることの構造分析をする。 ウィークリーノートとして行えればいいでしょう。

これは執筆プロセスの「マッピング」の段階に似ています。 ログを取るのはフリーライティングのようなもので、そこから見取り図を取り出すのがマッピング

これの方針がまだ定まっていません。 「こうしていこう」というやり方が見えない。 ウィークリーノートに日々のログを転記しても仕方ないんですよね。 手間なだけ。 「今週の困ったこと」を拾い出そうとしても、そうそう困っていない。 「今週のできたこと」で集めると、意外と多くて「いい人生だなあ」と自画自賛してしまう。

まあ、それでいいのかもしれない。

ということで「生活を研究する」は確かなんだけど、すでに「情報は身の丈に合わせる」をやっているので、先に進みませんでした。 おやおや、困った。

まとめ

「身の丈に合わせる」がそっか、ライフスタディか。 自分ですでにやってるのかもしれません。 これを意識的に整理すればいいのかな。