Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

堂々巡りはループである

タスク管理がなぜ必要か。

タスクを整理しないと堂々巡りに陥るからかなあ。 同じところをぐるぐる回って先に進めない状態になる。 それを避けるためにタスク管理があるのだろう。

そう考えると、タスク管理はどうあるべきか見えてきそうです。

堂々巡り

そもそも堂々巡りとは何か。

名前の通り、思考が同じところを回っている状態。 ループ構造をしています。 このループを抽象化してみましょう。

  1. 早く何かしないとと焦る
  2. 焦るとやる気が起きない
  3. 先延ばしすると落ち着く
  4. 何もせず状況が悪化する

「状況悪化→焦り→意欲低下→回避行動→状況悪化→・・・」。 このループが取り出せます。 「状況→焦り→意欲低下→行動」。 単純化するとこの構造になっている。

では堂々巡りに「ならない」ときはどうなっているのか。

「状況→焦り→意欲上昇→解決行動」。 構造自体は変わりません。 その中で、焦りが意欲を生むときですね。 「やらなきゃ」と思って問題と取り組む。 嫌々ながらも「イライラするのも嫌だから片付けてしまおう」と意欲に変わる。

この「意欲」の一点が異なっている。 それ以外は同じじゃないだろうか。 すると「意欲」とはどう生じるものなのかが気になります。

先送り戦略

それでまず「意欲が生じないのはなぜか」を考えてみます。

普通に考えると「焦りが意欲を生む」のは変です。 焦りが生まれたとき、その焦りから目を逸らしたい。 落ち着いている方が心地いい。 だから「考えるのをやめよう」とか考えます。 先送りにする。 焦って意欲が生まれるものではない。

戦略としても間違ってないように思う。 先延ばしにすれば、そのうち状況も変わり、何もしなくて済むかもしれません。 それなら今イライラしていることは損なことです。 そんなことで消耗したくない。 待てば海路の日和あり。

そうした意味で堂々巡りはそれまでの時間稼ぎ、どこかポジティブな世界観に裏打ちされてますね。 自分がやらなくても誰かやってくれるんじゃないか。

ここまで考えてみて「おやおや妙だぞ」と思いました。 「誰かやってくれる」というのが隠れてますね。 甘えじゃないですよ。 そんなスイートな感情じゃないものが蠢いています。 どこか投げやりでペシミスティック。 どうせ俺なんか無能なダメ人間、と。

こいつはなんだ?

根っこに「他者への怒り」がある印象がする。 焦っていると「どうして何もしないのですか。こうしたらいいじゃないですか」とアドバイスしてくる人、いるじゃないですか。 でも、それをされると腹が立つ。 「そんな簡単だと思うなら、あなたがやればいいじゃないですか」と心の底でふつふつ湧いてくる。

焦りに怒りが絡むと「イライラ」になります。 この「イライラ」と「焦り」の区別がつかないと「やる気がなくなった」と感じる。 「怒り」が入り交じることで意欲が低下します。 「もう知らんし」と投げ出したくなる。 主導権を放棄している。

それに、そのアドバイスしてくる人がまず「イライラ」を持ってますね。 横で見ていて耐えきれなくなって、自分の「イライラ」をぶつけてくる。 「このイライラをなんとかしろよ」とこちらのせいにする。 そう感じるので余計にイライラしてしまう。

これは「やる気」ではなく「殺る気」です。 相手を懲らしめたい。 わからせてやる。 状況悪化は自分も困るけど、その「相手」も困る。 自爆テロ的な「復讐」のとき、堂々巡りにメリットが生まれます。 これは「心の牛歩戦法」と言えるかもしれない。

タスク管理

そこから抜け出すには自分の「怒り」に気づくことかな。

カントの『実践理性批判』に「なぜ人は悪いと知りながら悪いことをしてしまうのか」という考察があります。 カントの答えは「その人にとってはそれが良いことだから」となっている。 「悪いこと」なら人は避けたい。 選ぶのはメリットがあるから、と。

そりゃあ、そうだ。

その「良いこと」は自由意志に関わることです。 笑うことが「良いこと」とわかっていても、条例で「一日一回笑うことを努力義務とする」と強制されれば反発を感じる。 そんなもの、笑えるかい。 自由を守ろうとすることが「怒り」です。

カントは人間のことを「目的それ自体」と呼んでいて、科学の対象である「物それ自体」と対にしています。 人間にはそれぞれ「より良く生きたい」という目的があり、他者から「道具」として扱われることを嫌います。 他者の目的のために利用されたくない。

この「怒り」が社会を変える原動力になります。 だから堂々巡りが起きているときは、どこか自分の「自由」が脅かされている。 それを守ろうとする動きが出ていて、そちらをタスクにすれば、動き出す糸口になります。

たとえば「黙っていてください。自分で考えますから」と相手に言うことかな。 それも堂々と。 それで黙ってくれる相手ならいいけど「あなたのために言っているんだ」と逆ギレされると面倒だなあ。 でも、言うことは言った。 そこはスッとする。

焦りと怒りの区分けをし、本来の「焦り」を引き受ける。 それがタスク管理の第一歩になります。 今の気持ちを箇条書きで書き並べてみる。 並べたそれぞれに「どうしたいか」を付け足す。 するとそれがタスクリストになってくる。

この手順かな。

まとめ

でもそんなこと他人に言われると腹が立つ(w。