カナからカニへ。 カナ入力キーボードを作ってみたら、意外と合理的な理由が隠れていたので、それに合わせコンパクトにしてみました。
JISカナ配列
西園寺内閣の秘書官だった山下芳太郎が1923年に考案したカタカナ配列が基になっています。 電報ですね。 国際的な通商で日本が勝ち残るには通信に特化したキーボードが必須である。 その必要性から作り出された配列のようです。
山下自身は漢字とひらがなを廃止し、左横書きを推奨したかったけれど、キーボードが完成した1923年に胃がんで亡くなっています。
上段左があ行、上段右がや行。 二段目より下の左側にはか行、さ行、た行を置く。 右側にはな行、ま行、ら行を配置。 た行やら行がわかりやすいですが、縦方向に「たちつてと」となってますね。 これが基本形です。
でも原則通りにはなっていません。 これがなぜかわからないのですが、試して思うのは使用頻度です。 よく使う文字ほど中央にある。 頻度の低い文字は周辺に配置する。 そんな意図があるんじゃないかと思いました。
最終的に1964年JIS規格として採用され、その後新JISなど登場しても淘汰されず今も君臨しています。 5%の人は使い続けているそうです。
カニ配列
中央ほど使用頻度が高いなら、上フリックに重ねればいいんじゃないか。 カナ配列を3列ごとに区切り、外側の3列を内側にかぶせてみる。 これでキーの数を半減できます。
濁音キーを真ん中にしましたが、azooKeyには自動濁音化があるので使いません。 カナ配列の利点と言ってもいい。 ライブ変換と合わせると効率良く変換できます。
数字は下フリックに入れてあります。 テンキー配列です。
使用感
そもそもカナ入力は使っていませんでした。 ローマ字入力派なのでカナの印字をうざったく思っていた。 ノートパソコンも英語配列のを好んで買っています。
ところがカニ配列にすると打ちやすい。 これは発見だなあ。 カナ入力派が一定数いるはずだわ。 打鍵が半分で済みます。 日本語入力に悪くない。 使用頻度の仮説は合っていますね。 表のキーがメインに使われ、指の負担を軽減している。
残念なのはた行音かもしれない。 た行は全部裏に回っていますが、打鍵の頻度は高め。 動詞の活用で出てくる。 これが上フリックは悔やまれる。 大きなトレードオフだな。
もう一列増やしたほうがいいのだろうか。
まとめ
しばらく使って考えよう。