Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

連歌のように書くこと

連歌のように」は最近心がけていることで「論理的」とは反対かもしれない。 論理的に書くのはあとの段階での話で、その前に連想を広げていきたい。 自由にイメージを羽ばたかせながら言葉を紡いでいく。 そのモデルとして「連歌」を考えています。

あるいは分析されることを拒みたいのか。 なにか書いてはあるけれど、何が書いてあるかは要約できない。 そうした文に憧れている。 美しさを感じる。 そんな文が落ちてこないかと空を見上げながら思う。

そうした書き方が「連歌のように」かもしれません。

Block.md

使うのはObsidianのZoomプラグイン。 もとはアウトライナーを補強するプラグインなのですが、単独でも有能でこれに助けられています。 ほかのエディタにない特色です。

このプラグインと自作のTemplaterスクリプトを組み合わせる。

<%*
s = tp.date.now("HH:mm")
tp.file.cursor_append("#### " + s + "\n")
s = "editor:move-caret-left"
app.commands.executeCommandById(s)
s = "obsidian-zoom:zoom-in"
app.commands.executeCommandById(s)
tp.file.cursor_append("\n")
%>

こういうのですね。 Block.mdという名前でTemplaterのHotkeyに登録し、ツールバーから呼び出して使います。

すると上の図のようにタイムスタンプを見出しにして、新しい編集画面が開きます。 上位の階層に戻ればただの小見出しだけど、ズームした状態なら白紙のカードになる。

これが自分に「連歌」を呼び出します。

連歌のように

素材がないと形は作れない。 形とはアウトラインのこと。 名前の通り「輪郭」ですからね。 輪郭がなければ論理になりません。 ところが文章の場合は、素材も言葉でできている。 素材となる言葉集めの段階で四苦八苦します。

ダビデ像を作るにしてもまず大理石の塊が必要になります。 大理石を見つけるには彫像を彫るのとは別のロジックが働きます。 偶然が関わってくる。

大理石のありそうなところを掘り進んで見つけなくてはなりません。 直感が頼りだし、その直感もほぼ毎回ハズレる。 それでも諦めずに土を掘り返し、ツルハシが固い岩盤に当たるのを待たねばなりません。

その石集めのところですね、連歌風の連想を活用するのは。 一句思いついたら、それを書き留めつつ、半ば忘れてしまう。 忘れて、余韻のビブラートを身体に残し、次の一句をひねり出す。 これを反復することで怪しげな土壌を掘り返していきます。

Zoomはその石集めの作業です。 Blockを実行するごとに、それまでの文章は視界から消えるけど、指先に気配が残る。 そのビブラートのままに次の文章を書き付けます。

たいていは土くれです。 そのままでは使えない。 でも時にカチッと岩盤にブチ当たる。 そうしたらあとは力技です。 獲れるだけの言葉を獲り尽くして地表に上げる。 ああ、こんなものが埋まってたのか。 Obsidianに掘り出された言葉が並んでいく。

まとめ

Obsidian - Connected Notes 1.4.16
分類: 仕事効率化,辞書/辞典/その他
価格: 無料 (Dynalist Inc.)

Obsidianが黒曜石だから、石を掘り出す連想をしちゃったかな。 Blockだけに、連歌よりは煉瓦の話でした。