Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

「水星の魔女」の魔女は誰だったのか

すいません、後半の展開が早すぎてついていけませんでした。

グエルくん

主人公、グエルくんですよね、これ。 学園から追放され、ソロキャンして、運命のいたずらで父親を殺してしまい、敵の捕虜となって、生きる希望をなくしたどん底に落ち、そこから自力で這い上がってくる。 でも、自分の罪を償うため、最後は弟の手によって死を受け入れることになる。 完全に主人公ムーブしています。

なので、爆発四散する前に消火弾を撃ったフェルシーちゃん、グッジョブです。 「ふたりともバカなんすかー」。 まったくです。 これがなかったら、いつも通りのガンダムになってしまうところでした。 ふぅー、あぶないあぶない。

進めば二つ

つまり「ガンダムの呪い」をいかに回避するか。 それが今回女性を中心に据えた理由ですね。 同じ親殺しでも、母娘関係に置き換えることで別の乗り越え方を模索した。 主人公がどう母親の呪縛(ガンド)に気づき、そこから解放されるか。

スレッタが表に出てますが、ストーリーの展開はミオリネとその母親の関係です。 しかも、その母親はずっと姿を現さない。 「死者は生きていて当たり前」のガンダム空間で、唯一出てこない、本当の死者です。 最後まで、どんな人だったか視聴者に明かされない。 でも、初めから終わりまでキーパーソンになっている。

ミオリネが最初、地球に逃亡しようとするのも、母の面影を求めてのことでした。 なので、プロスペラの口車に乗せられ、人民軍と交渉するために地球に向かう。 彼女は地球の引力に囚われています。 ところが、自分の愚かな行動によって地球上に惨劇が起こる。 それがミオリネによる母親殺しです。 そんなつもりじゃなかったのに、大事なものを壊してしまった。 自室に籠って心を閉ざしてしまう。

これはグエルが父親を殺したのと同じ構造です。 でも、次の行動が違う。 グエルは父親の残したものを引き継ぐことを選びます。 大切な思い出を失いたくなかった。 過去に生きています。 ミオリネは両親から引き継いだものを放棄することを選びます。 クワイエットゼロを停止させ、企業を解体する。 そして「自分の家族」を選びます。

そうした展開で、プロスペラはミオリネの「母親役」を引き受けている。 「魔女」は「母なるもの」の負の側面です。 ミオリネの母親が生きていれば、自分の娘との間で起こしただろう確執を、プロスペラが代役として演じます。 ミオリネの前では仮面だし、 ミオリネも無意識のうちに「母の面影」を投影してしまった。求めた。 仮面の下に「母」を見て「あるはずだった関係」を再起動したとも言えます。

だから、口では反発しても「母の言葉」に逆らうことができなかった。 それがスレッタの助けを借りて立ち直り、母親の心の防壁をこじ開け、「家族」として受け入れることができた。 そうした「新しいタイプの祝福」を提示しています。

その他

スレッタは一つだけ。 せっかく地球寮のみんなに「私、レプリカント・チャイルド、らしいです」と告白したのに、みんなが「ああ、そう」としか反応しなかったのが可哀想だった。 まあ、視聴者も「クローン人間とかコーディネーターとか、ガンダムだしなあ」とか「スレッタがエリクトだとすると年齢が合わないもの。最初から知ってた」と思ってたけど。 考えると、同性婚が認められる世界だから、身近に「遺伝子操作でできた子」が多いのでしょう。 みんな、意外でも何でもなかった。 スレッタには思い切った告白だったのに。

あと、どう見てもセセリア懺悔室がなかったら、スレッタも立ち直れなかったことになる。 マルタンがニカのことでウジウジしたままだったろうし。 唐突な懺悔室でしたが、セセリアさん、キーパーソンですね。 最後にちゃっかりエラン(本体)の秘書になって、もしかして黒幕はシャディクではなく、セセリアの手のひらでみんな踊らされていたのではないか。 懺悔室で情報収集し、全員の動向を把握しながら、物語の結末が見えていたのではないか。 そんな恐ろしさを感じました。

彼女が一番の魔女です。

まとめ

ラウダくんが何に怒っているのかわからなかった。 カルシウムが足りてない?