Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

Ulysses×Textwellがしっくりと馴染んできた

コレが欲しかった。

Snap

Textwell 2.1.1
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: ¥370 (Sociomedia)

Textwellで書いてiCloudに保存。ファイル管理はUlyssesで行う。そういうシステムを考えてみました。当初は「スナップ」の代用品でしたが、それだけに収まらずに。

Import Textwell ActionSnap

瞬間保存

ショートカット 5.0
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: 無料 (Apple)

ショートカット経由でiCloudのTextwellフォルダに書き込みます。一行目をファイル名とし、同じ名前のファイルがあるときは上書きにしました。最新版だけ残す方式。

https://www.icloud.com/shortcuts/b2bf197cc14f4a468e82e80fcd0a671c

ファイル管理

Ulysses · テキストエディタ 26
分類: 仕事効率化,ライフスタイル
価格: 無料 (Ulysses GmbH & Co. KG)

Textwellが空欄のときUlyssesを起動します。

UlyssesにTextwellフォルダを追加してください。無料のままで構いません。歯車ボタンから「外部フォルダを表示」で追加できます。

Ulyssesを仲介するとファイルの移動や削除ができます。ファイル操作のないTextwellにとって理想のファイラーになります。二本指タップで複数選択できるのもいい。

Ulyssesは無料のままでも使える - Jazzと読書の日々

読み込み

右上の三点ボタンから「共有」でTextwellを選んでください。普段はこれでOK。

画像が含まれる場合は「共有」だと文字化けします。zip形式で圧縮されているからです。その場合は「書き出す」のMarkdownで出力してください。

現時点での推しカプ

Textwellのファイル管理に関する問題がなくなりました。ローカル・ファイルとして残るしiCloudだから同期の問題も解消する。いいこと尽くめです。

さらにコンパイルやPDF/Word変換もできます。背中をUlyssesに預けて執筆に集中。テキストを編み上げるのに必要なものが揃う。しかも違和感がない。

まとめ

前回ObsidianとUlyssesの連携を考えたのですが「いつもTextwellで書いているのだし、直にやり取りするのが速かろう」とシステムを組み直してみました。

スッキリしました。なぜ気づかなかったのか後悔するレベル。

ライティング・セラピー

新しいエディタが出ると試してみたくなる。病気である。一定数の人たちが罹っているらしい。とくに最近のエディタ界隈は賑やかだ。どのアプリも魅力的である。

いや、昔からエディタの世界は面白かった。いまに始まったことでもないだろう。探せば、過去の哲人たちも「書くこと」に一家言を持っている。この病気は太古から世界中で蔓延していたに違いない。

園芸師か建築家か

最近「GardenerかArchitectか」という議論を見かける。書くことは「農業」なのだろうか「工業」なのだろうか。そうした話である。書く人のタイプ分けに使われたり、ノートアプリの分類になっていたりする。

自分自身を「園芸師」のイメージで捉えるか「建築家」のメタファーで理解するか。それは「文章を育てる」か「文章を組み立てる」かの二項対立である。どちらが自分に合っているのだろう。あらためて振り返ってみると興味深い。

たとえば、書くことを「農業」と感じている人は農業的なエディタを使い、そうしたエディタを使うことでますます書き方が農業的になっていく。そうした相乗効果があるのだろう。「工業」と捉える人はその反対に進む。そして、そのことに気づいていない。目を覚さねばノートアプリに取り憑かれてしまうかも知れない。

農業的なノートアプリ

WorkFlowy: Note, List, Outline 3.12.9
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: 無料 (FunRoutine INC)

植物を育てるようなエディタ。タネを蒔いておくとすくすく育ち、実れば収穫する。この立場は「エバーグリーン・ノート」といった考え方によく現れている。

今風に言えば「中動態のノート」だと思う。アイデアは生えてくるものであり、所有権は人間側にはない。アイデア自体が変化する。人がするのは、その成長を助けること。良き偶然は歓迎される。そうしたスタンスである。

WorkFlowyはとくにこの感じが強い。アイデアを書いておくと、その周辺に連想が広がっていく。何か形が見えてきたら刈り取り、少し整えて文章に仕上げる。そこには農作業の趣きがある。書き上がったときの満足感はひとしおだ。

工業的なノートアプリ

Logseq 0.7.4
分類: 仕事効率化
価格: 無料 (Logseq, Inc.)

プラモデルを作るようなエディタ。設計図があり、それに合わせて材料を集め、組み合わせて仕立てる。PDCAとか好きそうなタイプ。もちろん、増改築にも対応し、ループがくるくる回る。なぜかお役所的な駄洒落が目立つのも特徴だ。

こちらは「能動態のノート」である。主体は人間側にある。アイデアは集めるものであり、それを素材とし建造物を構築する。テーマが明確にあり、PDFなどの資料管理もエディタで行う。ToDoリストで生活を管理する。

Logseqはこちらの感じがする。wiki的なものはビルディングで、それぞれに「部屋」を割り当て居場所を作る。「部屋」には出口があり、他の「部屋」への移動も行いやすくなっている。脱構築や再構築が繰り返されるが、主体の思惑から大きく外れることはない。「わかりやすかったです」という感想をもらうなら、こちらだろう。

そもそもなぜ書くのか

「書くこと」は「頭と身体の対話」である。とくに「誰にも見せない文章」の読者は「自分の身体」しかいない。身体の反応に注意を払いながら、ピッタリくる言葉を探したり、腑に落ちるところへ流れたりする。モヤモヤしたままでは落ち着かない。

ただ、そのままでは散漫になる。書かれたものを読み直し、そこに隠れたテーマを見つけるのは「頭」の仕事である。批判的に検討し、反証を列挙したりして論を整理する。バッサリと断捨離を執行すれば、状況がクリアになっていく。

「頭と身体の対話」が進むことで自分自身が調えられる。サウナと同じだ。このプロセスを「身体」から見るとき「園芸」となるし、「頭」からは「建築」となる。すると、先の二項対立は、対話プロセスをどちらから記述するかの違いでしかない。

もちろん、一方的になるとプロセスは崩壊する。支離滅裂になる。そのバランスを保ちたいので、ノートアプリが出るたびに手を出してしまうのだろう。新しい「薬」を欲しがる依存性のように。もっとノートを、もっとプラグインを。

まとめ

書くことはセラピーである。セラピーは治療ではない。むしろ病気である。すべての病気には「頭と身体の対話」という側面がある。その中で、比較的害が少なく済むのが「書くこと」なのだろう。無いと困る人には無いと困る。

そんな言い訳をしながら、また新しいノートアプリに飛びついたりする。懲りないから心の凝り(心残り)もない。うふふ。

Ulyssesについて知っておきたいこと

大文豪養成ギプス。

Ulysses

ファイルを集めて一本の論文にする。前回はフォルダを対象にするケースでしたが、今回は個々のファイルを選ぶ方法の話です。

選択モードにする

ファイルを二本指で長押し。すると選択画面に切り替わります。𓃦

選んだファイルだけ「書き出す」は便利。予定の枚数に収まるか試行錯誤できる。長すぎたらファイルを省いたり、少し短いときは小ネタを挟んだり。自由自在。

実はこれ、Obsidianのファイル整理に便利です。複数ファイルを選択して別のフォルダに移したりできる。Obsidianのファイラーは使いにくい。

コンパイルから省く

ファイルをコンパイルの対象から省くには「素材シート」を利用します。選択モードで「素材シートとして使用」にすると「書き出す」の対象外になります。

あるいはファイルを長押しして出るメニューからも「素材シート」に設定できます。

「イベントの時系列」や「各キャラクターの特性」など小説の設定ファイルがあるときは、連結の対象外になるので「素材シート」にしておくと良いでしょう。

画像の扱い

Obsidianの画像リンクはUlyssesでは表示できません。なのでGyazoにアップロードしてMarkdown記法で書きます。![](https://gyazo.com/xxxx/raw)のように、Gyazoのアドレスに「/raw」を付けると画像へのアドレスになります。

この方法ならUlyssesのPDFやWord変換でも表示します。

改ページ

Markdownの水平線記法「----」が改ページを兼ねます。ハイフン4つ。ただ、スタイルによって解釈が異なるようで、Academicaは空行を開けるだけ、Manuscriptは「次のページに移る」となってます。

ePubでもこの改ページは有効です。ePubKindleで出版するときのフォーマットで、下記サイトからAmazonに登録できます。

まとめ

Ulysses · テキストエディタ 26
分類: 仕事効率化,ライフスタイル
価格: 無料 (Ulysses GmbH & Co. KG)

UlyssesがObsidianの拡張機能のように振る舞います。たぶん、iPadで長い論文や小説を書くとき、この組み合わせが最善手になるんじゃないかな。

ノートアプリ探訪:Ulyssesは無料のままでも使える

Obsidianが鍵。

Ulysses

Ulysses · テキストエディタ 26
分類: 仕事効率化,ライフスタイル
価格: 無料 (Ulysses GmbH & Co. KG)

テキストコンポーザーのもう一つの雄。それがUlyssesです。でも無料だと制限多め。そこで、知らなきゃ損々な裏技を使います。

Obsidianと同期

無料だと文章の編集ができません。でも対応策はあります。

実は、設定ボタンの「外部フォルダを表示」でObsidianのフォルダを選ぶことができます。つまりObsidianで書けばUlyssesと同期するようになる。すごいでしょ。

Obsidianで編集するとUlyssesを起動したとき最新状態に更新されます。ほぼ一瞬。

さらにライブラリ右上の「+」で他のフォルダを追加することもできます。

コンパイル

しかもフォルダを直接コンパイルできます。

Ulysses側ではファイルの並べ替えが自由にできます。そして、フォルダを長押しして「書き出す」を選ぶ。これで、フォルダ内のファイルを連結して一本にまとめることができます。まじマージ。

「書き出す」はPDFやePubMarkdown、Word形式の出力に対応しています。用紙サイズを選ぶこともできます。スタイルもいろいろ用意されています。

グループ作成

無料だと新規グループを作成することもできません。

でも、すでにあるグループの「複製」はできます。「自分のプロジェクト」を長押ししてください。メニューに「複製」があります。あるいは「自分の小説」を長押ししても複製できます。「編集」でタイトルを書き換えれば出来上がり。

Obsidianフォルダからドラッグ&ドロップで、このグループに移動できます。ただしフォルダ側のファイルは消えるのでご注意。

他のエディタでも

テキストの追加はObsidian以外のアプリからでもできます。共有シートからUlyssesを選んでください。転送されたテキストは「受信」に保管されます。

Textwell連携

Textwell 2.1.1
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: ¥370 (Sociomedia)

TextwellならMarkdown形式で転送できます。

Import Textwell ActionUlysses

まとめ

Obsidian - Connected Notes 1.2.3
分類: 仕事効率化,辞書/辞典/その他
価格: 無料 (Dynalist Inc.)

Obsidianで分割執筆してUlyssesでコンパイルする。これで長い文章を書くのも苦になりません。この動線はいろいろ応用が効くので鼻血が出ます。𓀹

Ulyssesについて知っておきたいこと - Jazzと読書の日々

ノートアプリ探訪:Scrivenerは「容器」である

これじゃないと出来ないことを指し示すには、それを指す言葉を発明しないといけないんじゃないかな。新しいことは伝えようがない。𓀩

Scrivener

Scrivener 1.2.1
分類: 仕事効率化,ブック
価格: ¥2,440 (Literature & Latte)

長い文章を扱うためには、そのための容れ物が必要になります。章立てして、それぞれの章を推敲し、それを組み合わせて一本仕上げる。

Scrivenerはそうした作業が簡単にできる「何か etwas」です。

Scrivener | Literature & Latte

Textwell

Textwell 2.1.1
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: ¥370 (Sociomedia)

でも、Scrivenerはエディタ部分が弱いと思う。執筆に集中できるデザインではない。そこをTextwellで補う。Textwellで書いてScrivenerに文章を転送します。

Import Textwell ActionScrivener

下準備

ショートカット 5.0
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: 無料 (Apple)

このアクションはショートカットを呼び出します。下記リンクからレシピをインストールしてください。

https://www.icloud.com/shortcuts/89b65234f51947a5a5e84b0924058c19

使い方

アクションを実行するとショートカットが起動し、Scrivenerにテキストを書き込んでからTextwellに戻ります。作業が途切れない。

Scrivenerのほうは、あらかじめ対象となるプロジェクトを開いておいてください。そうでないと、どこに書き込めばいいのか分かりませんから。

書き戻し

Textwellに何も書いてない場合はScrivenerを起動します。

Scrivenerの右下にある「共有」から「別のアプリで開く」でTextwellに文章を戻すことができます。書式は「プレーンテキスト」を選んでください。

「容器 container」

Scrivenerは文章を分割したり、連結したりができます。A4用紙10枚までならTextwellでも書けるけれど、それ以上の文章は見通しがつかなくなる。Scrivenerは必須。

カーソル位置のポップアップメニューに「分割」があり、これを選ぶと2つのファイルに分かれます。場面が変わるところ、とか。分割すれば集中しやすい。

連結は「コンパイル」を使います。ファイルを並べ替えてから、左下にあるコンパイル・ボタンで連結することができます。小説を場面ごとに書いていき、最後に一本にまとめるとき使います。出力もテキストでもPDFでも対応。

それは錬金術で使うフラスコのようなもの。材料を集めるまでは何とかなっても、それを煮込む段で「熱」に耐えるタフさが必要になる。専用アプリがあるときは専用アプリを活用する。そうやって分業体制を作るのがiPadの醍醐味です。

まとめ

この秋に出るiOS16はほぼパソコン。ここまでマルチウィンドウにしたいものかなあ。iPadでも画面が狭すぎてiMatが出るかもね。

図書館イズムをKindleの蔵書管理に使ってみる

お世話になっています。

図書館イズム

図書館イズム 1.0.4
分類: ブック,ライフスタイル
価格: 無料 (Manabu Ueno)

Textwellを作られた上野氏のアプリです。近くの図書館を登録して、読みたい本を検索することができます。2週間前に出たところ。

使い方

正しい使い方は公式サイトを参照。

Kindleも載せたい

Kindleで読んだ本もいっしょに蔵書管理したい。そういうワガママにも対応します。

左下の「+」から「本を検索」。ここで目的の本を探します。これだけで登録完了。

本のデータを見ると、下のほうに「借出日」があるので、ここを「購入日」と読み替えましょう。カレンダーで日付を選ぶだけです。

メモ

Textwell 2.1.1
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: ¥370 (Sociomedia)

図書館イズムを起動するアクション。クリップボードにカーソル行を保存するのでメモに貼り付けてください。このメモも検索の対象として絞り込みに使えます。

カーソル行が空行のときは、全文をクリップボードに保存します。

Import Textwell ActionLibrarism

書き出し

右上の三点ボタンから「共有」が使えます。書誌データをTextwellに追記できる。感想文を書くとき便利そう。

まとめ

本を買う前に図書館にあるか調べることができますね。お財布にやさしい。𓆊

今のところ、オフラインだとアプリが落ちる場合があります。貸出可かどうかチェックしようとして落ちるみたい。

TextwellでUnicodeの4バイト文字に対応しました

これで古代エジプト文字が書ける。

Unicode

Textwell 2.1.1
分類: 仕事効率化,ユーティリティ
価格: ¥370 (Sociomedia)

漢字の部首検索をするアクション。前回サロゲートペアという概念に遭遇し、なかば挫折しました。今回は妥協しません。

Import Textwell ActionUnicode

使い方

「馬」と書いてアクションを実行すると馬ヘンの漢字が並びます。馬の略字から次の魚ヘンまで。いやはや、たくさんある。タップすれば取り込める寸法。

わからない場合は漢字コードを書き、それを選択状態にしてからアクションを実行すれば、そのコードの漢字が表示されます。

応用編

ただのUnicode表なので、漢字でなくてかまいません。「←」を書いて実行すれば矢印記号の表が出ます。何でもありです。

サロゲートペア

通常の漢字は2バイト文字です。でもUnicodeには4バイトの拡張文字があります。

空行でアクションを実行すると部首リストが表示されます。おまけでそこに漢字以外のものも選べるようにしました。4バイト文字もリストアップ。

さらにカーソルの左隣が4バイト文字であっても、Unicode表を表示するようにしました。これによって、下記のように麻雀牌を並べたりトランプで上がったりできます。

🀇🀇🀇🀈🀉🀊🀋🀌🀍🀎🀏🀏🀏
🂫🂬🂭🂮🂡

エジプト文字 𓃠

とくに最近ハマったのが古代エジプト文字。象形文字とはこれだよなあ。踊る人形の暗号とか、作れるんじゃないだろうか。

𓁆𓀠𓀓𓀢𓀣𓁆𓀥𓀤𓀓𓀡𓀉𓀂𓀃𓀀𓀊𓃰𓃰𓅳𓃻

それぞれ意味があるのかな。象はやっぱり象を表すのだろうか。

ヒエログリフ変換表 · GitHub

まとめ

詳しくは前回の記事を参照のこと。

古代エジプト文字は動物たちがかわいい。これはどこか、使いたいなあ。 𓃟