Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

人生相談マッピングの基礎固め

書いてみると思い浮ぶものだなあ。

ワクワク人生相談

「マップなのにルートになってしまう」と書いてから気づきました。 もっと簡単な図で説明できるんだ。

相互作用の構造

最終的に「相互作用の話」になるんだったら、その図を先に書いちゃえばいいのです。

こんな感じですね。

質問を要約すると「私と上司の関係」がテーマです。 上司が事あるごとに「私はデキる女」というアピールをしてきて鬱陶しい。 こいつをぎゃふんと言わせたい。 何かいい妙案はありませんか。 そうした相談になっています。

「私」と「上司」の二項対立を考え、それぞれの「動機」と「行動」を埋めてみる。 相談事はたいてい「どうすればいい?」なので「私の行動」を尋ねるものになっています。

相手の行動がこちらの動機を引き起こし、その動機から自分の行動が生まれます。 もちろん、その反対もある。 こちらの行動が相手に何らかの反応を引き起こし、それが次の行動の動機となる。 「相互作用の話」とはそういうことです。

この相互作用のループに切り目がないと悪循環が起こり、問題が慢性化します。 「人生相談」はこうしたタイプですね。 回答が掲載されるまでに時間がかかるのだから、緊急を要する質問は送られてきません。 慢性化したトラブルが多くなる。

なので「質問」をマッピングすると「私と相手」の間に起こるループとして描かれる。 回答は、このループにいかに気づいてもらうかがポイントになります。

カレー沢先生の回答

カレー沢先生の回答は「空白の埋め合わせ」でした。 どの回答もそう定式化できる。 ちょっと意識的じゃないかと思うくらい徹底しています。

マウンティング上司の場合は「上司の動機」が空白です。 質問者はそんなこと、考えていません。 「ぎゃふんと言わせたい」で心が満杯になってて、全体のループなんて見ていない。 ウラミハラサデオクベキカ。 魔太郎の世界にいる。

だからカレー沢先生は代理で仮説を立てます。 「自分に自信がないからマウンティングを取るんじゃないかな」と。 その仮説で正しいかどうか保証できないので、質問者に考えてもらうように投げかけます。 相互作用の「相手の動機」を質問者に埋めてもらう。 すると、質問者は状況を俯瞰的に見るようになります。 そのとき問題が変化して、自然と解消してしまう。 悔しがる理由がない。 これを狙ってます。

もう一つ気づいたのは思考実験を活用してますね。 「ぎゃふんと言わせたい」なら「もしそうしたらどうなるだろう」とイメージしてもらう。 「相手の上を行くマウンティング」と「相手を引きずり下ろすマウンティング」の例を挙げている。 相手の指を見て指毛が生えてないか確認するとか「私のウンコの方が大きいし」とクソリプするとか。

この思考実験は、相談者の「ぎゃふんと言わせたい」という動機を尊重しています。 無下にしない。 復讐したいなら、イメージの中で復讐すればいい。 ただ行動に移さないこと。 行動にすると悪循環が生じる。 その確認のために思考実験を挟んでいます。

これは質問者と回答者の関係も「相互作用」だからです。 こちらの仮説や助言を提示する前に、質問者の中でパンパンに膨れ上がっている「動機」のガス抜きをする。 心に「余白」が生まれるアプローチを挟む。 余白が空けば余裕が生まれます。

これは橋本治の「人生相談」にはなかったので「老荘思想的だなあ」と感じた点でした。

まとめ

マッピングは、図式でなくてもテーブルで表せるんじゃないか、と思ったので、機会があれば表形式でも考察してみたい。 そうしたらMarkdownで書き表せるようになるし。