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「自由に書いてください」と言われると書きづらい。 どうも自分は「自由」が苦手らしい。 少しだけ「型」のあるほうが筆も進む。 白紙に罫線が引いてあるようなものなのだろう。 罫線がないとミミズになるものなあ。
アサーティブ
小論文の書き方を調べると、いろいろな「型」が載っています。 参考になるけど、使いづらいんですよね。 何を伝えたいかを明らかにしないと始めることができない。 小論文が「これこれのテーマについて答えよ」という問題だから、 そうした「型」になっているのでしょう。 でも、そのテーマ探しが難しい。
それで小論文はやめて「アサーティブ」を応用することにしました。 コミュニケーション・スキルで「自分の意図を相手に伝える話し方」のこと。 心理療法で「自己主張訓練」と言われるようです。 自己表現が苦手でストレスをためやすい人の技法なのでしょう。 自分にもそんなところがある。 参考になります。
どんな型?
話を「客観→主観→提案→選択」の順に組み立てます。 「客主提選」と呼びます。
・客観:「今日は暑いですね」
まず客観的な事実から話を始めます。
相手から見ても「そうですね」と同意のもらえそうなこと。
会話の共通基盤を作る部分です。
・主観:「頭がぼーっとします」
主観的な感想を付け加えます。
困っている場合は何に困っているかを明確にします。
楽しい場合はどう楽しいかを言葉にする。
ここはそれぞれに意見の異なるところ。
・提案:「部屋を涼しくしたいけど」
「どうなるといいか」の未来を語ります。
目標ですね。
そうなると助かるなあ、もっと楽しいのになあ。
相手も「そうだなあ」と思える目標を組み立ててみる。
・選択:「窓を開けてもいいですか」
最後に選択権を相手に渡します。
どういう行動をするかは相手に任せる。
「いいですよ」の場合もあれば「嫌です」と断られる場合もある。
相手にも都合があるのだから仕方ない。
「配布物が飛ぶと困るから冷房にしましょう」と新しい提案を貰える場合もあります。
これでホッとする。
☆
前半の「客観→主観」は以前に書いた「タクト」ですね。 後半の「提案→選択」のところは「マンド」の部分。 タクトで体験を共有してから、マンドで行動を促す。 アサーティブはそうした構造をしています。
タクトだけだと愚痴っぽい。 マンドだけだと命令口調で攻撃的です。 アサーティブは愚痴や攻撃にならない道です。 これをライティングにも応用してみましょう。
使い方
「客観・主観・提案・選択」を箇条書きにします。 その中の、まず埋めることができる部分から埋めます。 最初に浮かんでくるのは何だろう?
たとえば「書くこと自体を楽しみたい」。 これは分類すると「提案」ですね。 「提案」のところに書いてみましょう。
すると、その「提案」が出てきた「主観」があると思います。 「最近、義務感で書いているような気がする」。 それを「主観」に書きましょう。
そうすると、その「主観」が出てきた「客観」が思いつきます。 「自治会の配布物を書く係になった」。 それは大変ですね。
で「主観」に戻る。 「キャシャーンがやらねば誰がやる」。 はい、キャシャーンになってしまいました。 世代が透けて見えます。
じゃあ「提案」はこうです。 「キャシャーンと自分を使い分けたい」。 そうですね、自分の書きたいことを書く場面を作る。 すべきこととしたいことを分けて考える。
「それでいいかな」。 誰に聞いているんでしょうね? この場合の「相手」は自分自身でした。 「選択」は「それでいいかな」です。 いいんじゃないでしょうか。
☆
こんな感じに、テーマがわからず始めても、テーマが浮かび上がってくる。 それから再び「客主提選」を作るとそれが「記事」になります。 悪くないんじゃないかな。
まとめ
見事に「チラシの裏」が出来上がりました。 Obsidianに残しておきましょう。
アサーティブは、相手が提案に従ってくれなくてもOKです。 自分の気持ちを言葉にすること。 そのこと自体にストレス軽減の効果があります。 書いたあとの気持ちが「言えたなあ」なら大丈夫。 「相手に伝わった」ならもっとうれしい。