Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

アサーティブ・ライティング

two businessmen having a meeting in the park |600 Backlink | Photo by Medienstürmer on Unsplash

「自由に書いてください」と言われると書きづらい。 どうも自分は「自由」が苦手らしい。 少しだけ「型」のあるほうが筆も進む。 白紙に罫線が引いてあるようなものなのだろう。 罫線がないとミミズになるものなあ。

アサーティブ

小論文の書き方を調べると、いろいろな「型」が載っています。 参考になるけど、使いづらいんですよね。 何を伝えたいかを明らかにしないと始めることができない。 小論文が「これこれのテーマについて答えよ」という問題だから、 そうした「型」になっているのでしょう。 でも、そのテーマ探しが難しい。

それで小論文はやめて「アサーティブ」を応用することにしました。 コミュニケーション・スキルで「自分の意図を相手に伝える話し方」のこと。 心理療法で「自己主張訓練」と言われるようです。 自己表現が苦手でストレスをためやすい人の技法なのでしょう。 自分にもそんなところがある。 参考になります。

どんな型?

話を「客観→主観→提案→選択」の順に組み立てます。 「客主提選」と呼びます。

・客観:「今日は暑いですね」
まず客観的な事実から話を始めます。 相手から見ても「そうですね」と同意のもらえそうなこと。 会話の共通基盤を作る部分です。

・主観:「頭がぼーっとします」
主観的な感想を付け加えます。 困っている場合は何に困っているかを明確にします。 楽しい場合はどう楽しいかを言葉にする。 ここはそれぞれに意見の異なるところ。

・提案:「部屋を涼しくしたいけど」
「どうなるといいか」の未来を語ります。 目標ですね。 そうなると助かるなあ、もっと楽しいのになあ。 相手も「そうだなあ」と思える目標を組み立ててみる。

・選択:「窓を開けてもいいですか」
最後に選択権を相手に渡します。 どういう行動をするかは相手に任せる。 「いいですよ」の場合もあれば「嫌です」と断られる場合もある。 相手にも都合があるのだから仕方ない。 「配布物が飛ぶと困るから冷房にしましょう」と新しい提案を貰える場合もあります。 これでホッとする。

前半の「客観→主観」は以前に書いた「タクト」ですね。 後半の「提案→選択」のところは「マンド」の部分。 タクトで体験を共有してから、マンドで行動を促す。 アサーティブはそうした構造をしています。

タクトだけだと愚痴っぽい。 マンドだけだと命令口調で攻撃的です。 アサーティブは愚痴や攻撃にならない道です。 これをライティングにも応用してみましょう。

使い方

「客観・主観・提案・選択」を箇条書きにします。 その中の、まず埋めることができる部分から埋めます。 最初に浮かんでくるのは何だろう?

たとえば「書くこと自体を楽しみたい」。 これは分類すると「提案」ですね。 「提案」のところに書いてみましょう。

すると、その「提案」が出てきた「主観」があると思います。 「最近、義務感で書いているような気がする」。 それを「主観」に書きましょう。

そうすると、その「主観」が出てきた「客観」が思いつきます。 「自治会の配布物を書く係になった」。 それは大変ですね。

で「主観」に戻る。 「キャシャーンがやらねば誰がやる」。 はい、キャシャーンになってしまいました。 世代が透けて見えます。

じゃあ「提案」はこうです。 「キャシャーンと自分を使い分けたい」。 そうですね、自分の書きたいことを書く場面を作る。 すべきこととしたいことを分けて考える。

「それでいいかな」。 誰に聞いているんでしょうね? この場合の「相手」は自分自身でした。 「選択」は「それでいいかな」です。 いいんじゃないでしょうか。

こんな感じに、テーマがわからず始めても、テーマが浮かび上がってくる。 それから再び「客主提選」を作るとそれが「記事」になります。 悪くないんじゃないかな。

まとめ

見事に「チラシの裏」が出来上がりました。 Obsidianに残しておきましょう。

アサーティブは、相手が提案に従ってくれなくてもOKです。 自分の気持ちを言葉にすること。 そのこと自体にストレス軽減の効果があります。 書いたあとの気持ちが「言えたなあ」なら大丈夫。 「相手に伝わった」ならもっとうれしい。