Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

ダンジョン飯の前半が終了

はて?

ベーコンエッグ

ダンジョン飯の前半クールが終わりました。 Abema.tvで見ました。

制作会社がTriggerで良かったなあ。 テンポ良くストーリーが進むのに面白さが増していく。 こんなファンタジーとしての完成度が高いと思っていませんでした。

迷宮に潜って魔物と戦い、ファリンを助け出して終わり、ってご都合主義になっていない。 どんな行動も迷宮の中では関連しあい、良かれと思って取った行動も迷宮のバランスを崩す過ちになって跳ね返ってくる。 事態が悪い方へ転がり始める。

これは良質のファンタジーです。

チェンジリング

5人が手を繋いで輪になる。 OPで描写されてましたが、今回のシーンですね。

ガーゴイルと戦うために5人が輪になって囲む。 表面的には、キノコの胞子でガーゴイルを彫像に変換する作戦ではあるけれど、もちろん「力を合わせる」を意味します。

マルシルの悪夢の話があり、センシの若い頃のトラウマがあり、仲間が深く互いを理解しあう中で「輪」になり始めている。 それを象徴的に表す出来事です。 とくにイヅツミが加入したとき、彼女が別行動を取るエピソードがありました。 羊の姿をしたバロメッツのところで。 そのイヅツミも今回は掛け声をかけながら「輪」を作ります。

イヅツミの過去はまだ語られていません。 回想しても話にはしていない。 でも少しずつ「輪」に溶け込もうとしている。 自動トロッコのところで、戸惑いながらもマルシルの肩に手を載せようとしたところに心の変化があります。 最初の頃の敵愾心がなくなってきた。 さて、これは何かきっかけがあったのだろうけど、なんだろうか。

「輪」を作ると「変化」が起きる。 それが「チェンジリング」です。 そしてその「輪」はファリンの竜の部分を食べる話になり、オークたちやナマリたち、カブルーたちへと広がっていきます。 後半パートの「竜の肉を食べる」は「協力し合う仲間たち」で「輪」を作る話です。 その「輪」が状況に変化を起こす。

前半パートが後半パートと呼応する、面白い作りになっていました。

鏡の関係

ダンジョン飯で「主人公」の位置にいるのはライオスではありません。 過去の回想はあっても「だから、この迷宮を何とかしないといけない」みたいな使命を背負ってない。 「妹を助け出したい」だけです。 竜の姿のままでもいいや、と思っている。

通常のファンタジーならカブルーのほうを主人公に据えるでしょう。 迷宮絡みで故郷の村を滅ぼされ、唯一の肉親を失った。 エルフに育てられ、エルフの国の事情にも精通している。 迷宮の危機を感じとり、その事態を打開したいと考えている。 まさに「主人公ムーブ」をしています。

でもダンジョン飯の主人公はライオスです。 このバランス感覚が面白いなあ。 カブルーはライオスに「自分にはないもの」を見ているんだけど、ライオスはカブルーを「鏡」として見ていない。 ライオスはたぶん「人」に興味がない。 「輪」に入ったことがない。

このままでは「輪」は広がらないでしょう。 ライオスが「人」として変化するのか、それともこのままで終盤まで行くのか。 そもそもファリンをみんなで食べるなんて解決でうまくいくとも思えないし。 ひと捻りもふた捻りも必要です。

キーとなるのは「虎に翼」、じゃなく「有翼の獅子」。 それがライオスの「鏡」なのかどうか。 ライオスをどう変えてくれるかは続編の楽しみということで。

まとめ

ニコニコの復旧は6月いっぱい掛かる模様。