Jazzと読書の日々

iPadを筆記具として使う方法を模索します

仮見出しはいつも疑問文である

あれは嘘だったかもしれない。

なにが嘘だったか

Markdownは箇条書きである」という話を書いたあと、 自分の書き方を見直してみると、 いやいや、そんなことはなかった。 箇条書きのあとに見出しを考える流れになってましたが、 本当は、箇条書きの段階ですでに見出しを書き入れてました。

ええ、見出しは箇条書きとともに書く。 書くけど、それを採用するわけではない。 そちらが真実です。

もうちょっと言うと、 内容が見えてからじゃないと見出しは書けません。 どんな内容になるかは書いてみないとわからない。 それが下書きの段階に起こることです。

だからある意味「箇条書きを終えてから見出しを書く」も間違いではない。 前回はそれを前面に出してしまった感じです。

じゃあ、箇条書きの段階で書く見出しとは何か。 それを自分の書き方で調べてみて、 面白いことに気づきました。 その見出しはどれも「疑問文」だったのです。

なぜ疑問文か

なぜ疑問文か考えてみると、 「書くこと」が「自分との対話」になっているからだと思いました。 自分に自分がインタビューしている。

箇条書きを書いているうちに疑問が湧き上がって、 その疑問を書き留める。 そして、それに答えることで次の話が流れ始める。 そんな書き方をしているからです。

疑問がいくつも湧いてきたら、それを箇条書きにする。 そして一つ一つに答えていく。 書いていくうちに、また新たな疑問が湧いてくる。 それも箇条書きにし、また返事を書く。 「箇条書き」のプロセスが、 そんな自分とのやり取りになっています。

個人的にこの方法が書きやすい。 ほかの人がどうかは知りません。 疑問文を書かずに書き進めている? そういう人もいるかもしれない。

でもそれはちょっと難しそうに思います。 テクニカルな本を読んでも、小難しい哲学書でも、 段落の切れ目に「疑問文」が隠れています。 透けて見える。

見出しに 「この問いに答えてみよう」と明示されているときもあれば、 「時間の非実在性」としか書いてないときもある。 読んでる方が「それはなんだ?」と戸惑うような見出しもありますね。 謎掛けがされている。

うまくいくと推理小説のようになるのでしょう。 「犯人は?」「どんなトリックで?」と読者の関心を惹きつけることができる。 疑問を解き明かすと、さらに疑問が湧いてきて、ページをめくる手が止まらない。 そこまでいくと文豪だなあ。

疑問文をうまく文中に溶け込ませる。 それがテキストを調理するコツかもしれません。

どんなふうに書いているか

疑問文は大きく分けると3つになります。

  • what:定義。それは何か。
  • why:理由。それの意義は何か。
  • how:具体例。どういう手続きか。

アプリの紹介だと:

  • what:どんなアプリか。
  • why:なぜそれが便利か。
  • how:設定と使い方。

この3つを押さえますね。

それと同じで、 何か「概念」を説明する場合も「システム」を構築する場合も、 この3点を明示しないと相手に伝わりにくい。

これらの疑問に応える形で文章を書くと、 必要最低限な情報を並べることができます。 「自由に書いてください」と言われると筆が進まないが、 質問されれば「一家言」が出てくる。 実のところ、その「一家言」の集まりが「自分の言葉」になります。

なので、インタビュー形式を採用しているのでしょう。 いま思ったけど。

文章が手詰まりになったときは、 この what, why, how を思い出してもらうと、 どれかが呼び水となって展開を助けてくれるかもしれません。 結構これは役立つんですよ。

「インタビュー形式」ということはもう一つ重要な疑問文があります。

  • who:誰がインタビューアーか。

つまり、どんな人たちを読者として想定しているか。 それが文章の中に隠れています。 自分でも意識できていない「読者像」を持っています。

もちろん第一読者は「自分自身」です。 書きながら何度も読み直すのだから。 その「自分自身」が下書きを読んで、疑問を呈する。 それに答える。 その反復が「文章」になっていきます。 そしてこの「自分自身」が一筋縄ではいかない。

その「自分自身」を明確化できると 「様々な読者層に訴えるテキスト」になるのでしょう。 ポリフォニックというか、色彩豊かな深みを帯びる。 憧れるなあ、読む人が「これは私のことだ」と受け取ってくれる文。 それが出てくる。

でも、やりすぎると「支離滅裂」になりそうで、 さじ加減が難しい。

まとめ

そんなわけで、見出しは箇条書きとともに書く。 でも下書きができれば、その見出しは役目を終えて消されます。 内容を読み直して、正式な見出しが採用される。

今回は what → why → how のまま仮見出しを残してみましたけど。