Jazzと読書の日々

iPhoneを筆記具として使う方法を模索します

TextwellとScrivenerで作るモバイル書斎(その3)

前回は「TextwellからScrivenerに送る」を行ったので、今回はその反対。「ScrivenerからTextwellに送る」を解説してみます。

  • TextwellとScrivenerで作るモバイル書斎(その2)
  • ドキュメントを戻す

    Scrivenerのドキュメントは共有ボタンの「コピーを送る」でTextwellに戻せます。「プレインテキスト>Textwellにコピー」でTextwellに送られ、Textwellが起動します。

    読み込みではなく、Textwellのテキストに追記する場合は共有シートの「Textwellに追記」をお使いください。転送と追記の使い分けができるのがTextwellの利点です。

    コンパイル

    Scrivenerでは複数ドキュメントをまとめる「コンパイル」があります。パーツを集めてひと回り大きな段落にする。それをTextwellに戻すのも簡単です。

    Scrivenerでコンパイルを行うと、右上2つめのコピー・アイコンから他のアプリにコピーができます。そこでTextwellを選択すればコンパイル結果を移すことができます。

    コンパイルの工夫

    コンパイルは「ドラフト」内のドキュメントが対象になります。上から順に連結して、1つのファイルに作り変えてくれます。Scrivenerならではの機能と言えるでしょう。細切れのテキストから、一本の文章が出来上がる。

    なので、Textwellから転送したテキストは「ドラフト」に入れるのではなく、別のフォルダを用意したほうがいいです。名付けるとしたら「素材」くらいでしょうか。あるいはプラトンっぽく Khora(無名の場)あたりで。そこから必要な分を「ドラフト」に移動し、その後にコンパイルするのがオススメです。

    まとめ

    この段階のScrivenerは「保管庫」です。テキストを貯めていく。それも1つのアイデアを1つのドキュメントにするくらいのサイズが便利。あまり大きなドキュメントは作らない。

    加筆はTextwellのほうで行います。Scrivenerから来たテキストは「骨組み」であり、ほとんど一から書き直す感じでTextwellで文章にします。「文」を継ぎ合わせても「文章」にはなりません。文章にはリズムがあります。呼吸が宿る。文章は情報を伝えるのではなく、それを書いている時の「こちらの息遣い」を乗せる感じです。どこで息を貯めて、どこで一気に吐き切るか。

    そうやって出来た「文章」を再びScrivenerに送る。今度はそれが「論」を構成する単位になります。

    TextwellとScrivenerで作るモバイル書斎(その2)

    論文のつもりで書いていたらあかんなあ。なかなかブログに公開できません。論文だと完成までに何度も推敲できますが、ブログはそうじゃないですね。出来たところからアップしていく。後半部分が未完成でもまず公開して、その文章の流れで次を書き上げていくプロセスです。進行中のまま作り上げる。ingの執筆です。doneではない。

  • TextwellとScrivenerで作るモバイル書斎(その1)
  • Textwellで書く

    Textwell 1.8.8
    分類: 仕事効率化,ユーティリティ
    価格: ¥360 (Sociomedia)

    まず、下書きはTextwellで書きます。これがないと、まずiPhoneで文章は書けません。全然違います。下記アクションを使います。

    Import Textwell ActionScrivener

    使い方

    Textwellでアクションを実行するとScrivenerに転送されます。現在開いているプロジェクトに追記されます。追記すれば即時にTextwellに戻り、文章をクリアする。そこまでを一動作で行います。

    Shortcutsに下記レシピがインポートされていることが前提です。

    https://www.icloud.com/shortcuts/bd7a9eab39e44e73b8954e5ac06cfa4e

    注意

    あらかじめ、Scrivenerでプロジェクトを開いておかないと転送されません。フォルダを開いている場合はそのフォルダに追記されます。下書きを貯めていく。下書きが揃ってからがScrivenerの本領発揮です。

    クリアされた文章はクリップボードに保存されます。転送に失敗した場合はTextwellにペーストすれば復活します。同じ段落を別の角度から推敲する場合も、ペースとして書き換えるといいかと思います。

    テキストがなければ

    テキストがないときは、そのままScrivenerアプリが開くようにしました。Scrivenerの推敲に移りたいときにお使いください。戻るボタンが「Textwell」になるので、作業が途切れることがありません。

    まとめ

    Textwellについては自作アクション集をご参照ください。ほんと、いろいろな用途に使えます。Textwellを軸にして他のアプリが統合される。これはほんとに便利です。

    TextwellとScrivenerで作るモバイル書斎(その1)

    ブログでシリーズものをアップしようと思うと、その管理は意外と面倒です。並行して文章を仕立てながら、どの部分を先にし、どこを後に回すか考えないといけない。それは長い論文を書く場合も同じで、全体の構成を意識しながら書き進めることになります。

    Scrivener

    そういう場合に活躍するのがScrivener。長文コンポーザーですね。段落ごとに分割執筆し、必要なところだけコンパイルで出力する。現在のiPhoneでの最適解でしょう。

    Scrivener 1.1.5
    分類: 仕事効率化,ブック
    価格: ¥2,400 (Literature & Latte)

    Textwell

    Textwell 1.8.8
    分類: 仕事効率化,ユーティリティ
    価格: ¥360 (Sociomedia)

    ネットを参照しながら文章を書くとしたらTextwell。エディタとしてのTextwellは1つの世界を作り上げます。アクションで拡張することでほとんどの操作を半自動化できる。それでいて「文を書く」ということに特化して、テキストへの集中力を高めてくれます。まあ、これでないと何も書けません。

    Shortcuts

    ショートカット 2.1.3
    分類: 仕事効率化,ユーティリティ
    価格: 無料 (Apple)

    TextwellとScrivener。この2つの間を埋めるのがShortcutsです。Textwellで書いてScrivenerで推敲する。そのモバイル書斎を快適にするレシピを考えてみました。下記リンクを参照。

    https://www.icloud.com/shortcuts/bd7a9eab39e44e73b8954e5ac06cfa4e

    Textwell側には下記アクションをインポートします。

    Import Textwell ActionScrivener

    まとめ

    この環境を構築すると、どこでも文章が書けます。どこでも推敲できると、パソコンで書くことに違和感を抱くようになるかもしれません。自分の身体が変化する。そういう奇妙さへの入り口になっています。

    次回から詳しく「Textwell+Scrivener」の使い方を検討してみます。

  • TextwellとScrivenerで作るモバイル書斎(その2)
  • 「学習」について

    「学習」という言葉はもちろん、論語の学而篇に由来する。

    学びて時にこれを習ふ。また悦ばしからずや。

    孔子の時代はまだ「悦」の字がなく「説」になっているが、意味に変わりはない。学習は愉悦である。魂が抜け出すほど恍惚として楽しい、と孔子は言っている。変わったお人である。

    さて、問題は「学ぶ」と「習う」の2段階あることだ。つまり、「学ぶ」のあとに「習う」が来る。これはどう違うのだろうか。「学ぶ」と「習う」の間にある差異。漢字での考察はすでにあるものの、日本語ではどうだろう。孔子の意図を離れたところで考えてみたいと思う。

    「這ふ」について

    「習う」を先に見てみる。「ならう」は、動詞の「成る」に接尾辞の「這う」が合成されている。「這う」は継続を表す。「語る」に付けば「語らう」になり、「叩く」に付けば「戦う」になる。「這う」の合成語は多く、「祝う」や「笑う」もそうだろう。言葉を使って相手の霊力を高めるのが「祝う」であり、閉塞した状況を打開するのが「笑う」である。

    「習う」は「成り続ける」という原義である。「踊りを習う」とは「踊りそのもの」に自らを生成することにある。「技術を習う」とは「技術そのもの」が自らの手足のように動くことである。それそのものと一体化し、自分自身の身体となる。道元の「自己を習ふというは自己を忘るるなり」もこの通りである。自己と一体化しているときは、自己自身を意識することはない。それが「習う」の持つ働きである。

    「習う」によって身体化したとき、それを「慣れる」や「熟れる」と呼ぶ。「なれる」は、動詞の「成る」に接尾辞「得る」が付いたものだ。「習う」が行動となったとき「慣れ」が獲得される。意識せず実行に移せるところへと身をはめ込んでいく。それが「習う」である。

    失われた「まぬ」

    すると「学ぶ」はどうだろう。これも動詞「まぬ」に接尾辞「這ふ」が付いたものではないだろうか。「まなぶ」は「まねぶ」の変化と言われる。ただこの説は「まねぶ」のほうが新しいので当たらない。「まねぶ」は、動詞「まぬ」に「得る」が合成した「まねる」の変化と見ておく。「学ぶ」の結果として獲得したものが「まねる」であり、それが「真似」と言われる。表面的な形を模倣することである。

    でも、現代の日本語に「まぬ」という動詞はない。もし過去に存在したとしたら、どんな意味を持っていただろう。少し空想してみよう。思いつくのは「まなこ」という「眼」のことだ。ただし「まなこ」は「ま」だけで「眼」という意味で、動詞ではない。「まぬがれる」も考えたが、これも「眼から逃れる」だろう。なかなか、そのままの姿では見つけられない。

    ただ、「ま」が動詞化して「まぬ」があったのではないかと想像する。「目にする」くらいの意味で、最終的には動詞の「見る」に吸収されたのかもしれない。「みる」は「試してみる」や「考えてみる」のように意図の接尾辞でもある。「見る」は「意識して行う」のニュアンスを帯びている。ぼんやりと目の端で見るほうを「まぬ」と呼んだのだろうか。でも、「ぬ」で終わる動詞というところが変な感じもする。

    ともあれ、「学ぶ」は「見続ける」であると考えてみる。師匠の行うところを側に控えて観察する。四六時中、目を離してはいけない。見ることによって視覚的に同一化する。教える者がいて、その人が実地に行なってみせる。それを目に焼き付ける。この段階が「学ぶ」と呼ばれるのだろう。

    忘却の学習

    「学ぶ」は観察であり、人との同一化である。「習う」は実践であり、芸との同一化である。テオリアとプラクシス。そうした差異がある。これを漢字の「学」や「習」に当てはめ、読みを決めたのだろう。芸事において「名を継ぐ」のは、まだ「学ぶ」である。守破離の「守」である。師匠を忘れ自己を忘れ、ただ技芸そのものとなる。そのときが「破」である。

    すると「学習」そのものを忘れたとき「離」とされるのだろうか。「学習」には一歩先がある。

    TextwellでScrapbox用に [ ] を挿入する方法

    こんなの、どうでしょう。

    Bracket

    Textwell 1.8.8
    分類: 仕事効率化,ユーティリティ
    価格: ¥360 (Sociomedia)

    文中に括弧を入れるアクションです。

    Import Textwell Action[ ]

    そのまま使う

    アクションバーに登録します。アクションを実行すると、カーソル位置に [ ] を追加する。カーソルが [ ] の間に移動するので、そのままキーワードを書き込めます。

    一括置換

    キーワードにしたい部分を選択します。アクションを実行すると、文中のキーワードを検索し、すべて [ ] で囲みます。

    選択範囲がすでに [ ] で囲まれていた場合は、反対に [ ] を解除します。変換箇所が多い場合は、カーソル位置が飛びますが、実害はないので気にせずお使いください。

    応用編

    ソース内の変数 head と tail を書き換えれば、別の括弧類にも使えます。「」で囲んだり()で囲んだり。HTMLタグやMarkdownを設定しても構いません。アクションを複製して必要な分を用意してください。ただし、一括解除は一文字だけのときを想定しています。HTMLタグの解除には使えません。

    まとめ

    Scrapboxは「自分Wiki」と見なすと使いやすい。各種用語の定義を自分で行うのに利用しています。「腑に落ちるとはどういうことだろう」とか、「デュレーションって自分ならどういう定義をするだろうか」とか。「自分のWikipedia」を育てておくと、それが変なリゾーム化を起こして「知」を作る。

    Scrapboxは先が読めません。どれが後で重要になるか見当がつかない。よく自分が使うキーワードが見えたとき「知」の構築が起こります。それまでは多いめに囲んでおく。そんなズボラ・アクションです。

    問題解決の3つのレベル

    問題解決には3つのレベルがある。

    問題分析

    たとえば、火事になって火災報知器が鳴り響いているとしよう。そこには3つの解決策がある。

    • 解決レベル1 火を消し止める。
    • 解決レベル2 火は止めないが、火災報知器は止める。
    • 解決レベル3 耳栓をする。あるは鼓膜を破る。

    方略分析

    たぶん、どの解決策であっても「火災報知器がうるさくて困る」という問題は解決する。夜中に鳴り響けば眠りに差し障るし、とりあえず耳栓で睡眠を取る方法もあるだろう。ただし、その火事が自分の足元ではなければ。まず、その確認が必要。

    火事と思っていたものが、実は台所の温度に報知器が反応しただけかもしれない。あるいは、風呂の追い焚きをするとベルが鳴る。それだと生活に支障が出るから、火災報知器の感度を下げて対処する。場合によっては、報知器の電池を抜いてしまっても良いかもしれない。

    以上のような場合もあるので、かならずしもレベル1が「正解」とは言えない。

    とはいえ

    この頃の「問題解決法」を見ると、こうしたレベルを区別していないように思われる。火災報知器が鳴れば、火災報知器のストップボタンを押して、それで安心している。「これがエヴィデンス的にコストパフォーマンスがいい」と言われれば、そりゃあそうだろう。ボタンを押すだけだから。

    世の中で言われる「問題」は、大抵がレベル2である。何か先行する問題があり、それ自体は目に留まりにくくスルーされがちなものではあるけれど、感度の高い人がいると過敏に反応する。

    そのとき、感度の高い人に「共感」したり「忖度」したりして、その人を鎮める方向に周囲が動く。その人の感度が下がるようなトレーニングや環境調整をする。結果、最初の「火事」が何であったのか、不問のまま先送りされる。これって間違っていないか。

    「問題」に出くわしたら、まずそのレベルを区別してみることかな。その習慣から始めてみる。

    TextwellでAmazonのKindle書籍用紹介カードを作る

    どろろ」を紹介しようとしたら、以前のバージョンで動かなかったので。

    Amazon

    Textwell 1.8.8
    分類: 仕事効率化,ユーティリティ
    価格: ¥360 (Sociomedia)

    Amazonの紹介リンクを作る方法はころころ変わる。iPhoneは専用モバイルサイトが表示されるので、さらに対応が面倒です。これまでTextwellで完結するアクションを作ってきました。でもすぐ時代遅れになる。Amazonの開発チームは働き者なのか、内部仕様を頻繁に変更する。ほんと困ったもんだ。

    Import Textwell ActionAmazon

    使い方

    カーソル行をAmazonで検索します。たとえばTextwellに「どろろ」と書いて、そのままAmazonアクションを実行。すると内蔵ブラウザにアマゾンでの検索結果がリストアップされます。その中から、紹介したい本をタップして表示する。そして内蔵ブラウザを閉じるとカードがTextwellに埋め込まれる仕組み。

    Kindle

    今回はKindleに再対応しました。書影と著者名が表示されます。AmazonアフィリエイトIDはソース内の変数AmazonIDに書いてください。カード・スタイルの変更もソース内の変数CARDで行います。ご自由にカスタマイズしてください。もちろんCDや紙の本の紹介も従来通りに行えます。

    まとめ

    KindleFireを買ってからKindleで読む習慣がつきました。本の置き場に困らないのが有り難い。文字も大きめにして読みやすいです。もう少しフォントが滑らかだといいかなあ。ハイライトをすぐ引けるのも大事なポイントですね。「読書」という行為が少しずつ変わってきたようです。